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ライフ #獣医病理医からみた「動物の話」

まるで「粗挽き黒コショウのよう」野生動物の亡骸から無数の生物が這い出てくる恐怖――20年経っても慣れない解剖前のあの"光景"

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  • 中村 進一 獣医師、獣医病理学専門家
  • 大谷 智通 サイエンスライター、書籍編集者
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イヌも、散歩の際には草むらに入らせないようにしましょう。

イヌを飼っておられる方は覚えがあるでしょうが、イヌを草むらで遊ばせると高確率でマダニに取りつかれます。散歩後には必ずブラッシングを行い、マダニがいないかを目でチェックしてあげてください。

正しく恐れて対応を徹底する

人と動物に共通する感染症は、SFTS以外にも数えきれないほど存在します。

獣医病理医として動物の遺体を扱うぼくは、日常的に感染症のリスクと向き合わなくてはならず、「感染しない」「人に感染させない」「病原体を外に持ち出さない」という3点を常に意識しながら、病理解剖に臨んでいます。

前述したように、手袋・キャップ・長袖・長ズボン・白衣は必ず着用。自分の手が清潔かどうかを常に確認し、少しでも遺体に触れたら「汚染された」とみなし、消毒しないかぎりはカメラや筆記具などには決して触りません。

遺体の死因が感染症である可能性が高いと思えば、警戒度をさらに上げます。ときどき自分でも「神経質すぎるかな」と思うこともありますが、SFTSのような恐ろしい感染症に対しては、「正しく恐れ、対応を徹底する」という姿勢がやはり大切なのです。

どうかみなさんも、今回取り上げたマダニが媒介するSFTSのリスクを、自身の身近な問題と受け止めて、予防に努めてくださいね。

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