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ライフ #獣医病理医からみた「動物の話」

まるで「粗挽き黒コショウのよう」野生動物の亡骸から無数の生物が這い出てくる恐怖――20年経っても慣れない解剖前のあの"光景"

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  • 中村 進一 獣医師、獣医病理学専門家
  • 大谷 智通 サイエンスライター、書籍編集者
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吸血前はゴマ粒ほどの大きさの成虫は、最大まで血を吸うと人の親指ほどに膨らむこともあります(これを飽血といいます)。マダニが生息している場所は屋外で、森林や草地、河川敷・公園・庭園にある草むらなど、身近な環境にも潜んでいます。

マダニ類。日本国内には命名されているものだけでも47種いる(写真:Dzurag/PIXTA)
飽血したマダニ類(Artush/PIXTA)

気配を察知し、いっせいに這い出る

マダニは、動物が近くに来ると、その体温や二酸化炭素、振動などを感知して飛びついてきます。イノシシ、ニホンジカ、タヌキ、キツネ、イタチ、ツシマヤマネコなど、 野生動物の体表には、経験上、ほぼ例外なく多数のマダニが取りついています。

したがって、野生動物の病理解剖に取りかかった際、解剖台に置いた遺体から、ぼくの気配を感知したマダニがいっせいに這い出てくることがあります。

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