「仕事を終わらせずに帰るなんて責任感がない」という声もあるが…「残業キャンセル界隈」を肯定する会社が"残業ゼロ"に舵を切った結果

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結果をいうと、残業代がなくなったことを理由に退職した社員が一人だけいました。予想していたより少なかったですが、そもそも人材戦略で残業ゼロを打ち出したことを考えると、社員の退職はやはり複雑な思いでした。

賃金を重視する社員にも残業ゼロを受け入れてもらうにはどうすればいいのか。答えは一つ。残業代がなくなる穴埋めとして別の形で賃金を増やすしかありません。そこで決断したのがベースアップ月2万円です。

みらいパートナーズは以前からコツコツとベースアップをやってきました。ただ、その額は数千円レベルであり、残業ゼロの穴埋めになるものではありませんでした。新たな退職者を出さないためには、インパクトのあるベースアップが必要です。

そう考えて、24年は中小企業平均の2倍近い1万9000円、翌25年は月2万円のベースアップを実現しました。

(出所)『残業ゼロのすごい仕組み』

これ一発で手取り減をすべてカバーできるわけではありません。しかし近い水準でベースアップを続けていけば、数年で手取りは以前より多くなるはずです。残業がなくなって月々のお給料が増えるなら文句はないでしょう。

生産性を高めれば残業ゼロでも昇給できる

経営者として頭が痛かったのはベースアップの原資です。残業をゼロにすれば仕事の処理量が落ちて売り上げは下がります。社員の基本給を引き上げるのはいいのですが、売り上げが下がるのにベースアップすれば利益が減って赤字になりかねない。

ただ、これは杞憂でした。残業ゼロにしても売り上げは減るどころか増えたからです。

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