
世の中、残業が多い会社は山のようにある。
読者のUさんは「月300時間残業をやらされた」という。
「ありえないだろ!」
そんな突っ込みが聞こえる。
一般的には月45時間残業が節目と言われる。これを超える残業が常態化し、残業代もろくに支払われないと法的に「アウト」と言われる。「労基に踏み込まれる」というやつである。
だが、正直に言うと、数値基準はさして意味がない。
パワハラなトンデモ労働ならば、例え45時間以内に収まっていても「ブラック職場」なのだ。
で、月300時間なんていうのは、私に言わせれば「当然、ありうる超過時間」である。
なぜなら、自分がやっていたからだ。「信じられない」と言う人に向けて、軽く解説したい。
私のケースはこうだった。
始業時間は取材によるので、早ければ朝イチから開始となる。取材がなければ昼に出社する。平均すると10時スタートだ。
勤務を終えて編集部を出るのは午前2時。多少の前後はあるが、0時前に帰ることはなかった。
1日16時間、つまり8時間超過となる。残業時間はこうなる。
8時間×30日=240時間
「ほらみろ! 300時間なんてムリじゃないか」
実は違うんだな。休日はすべて超過勤務なので計算はこうなる。
8時間×22日=176時間
16時間×8日=128時間
合計すると304時間! これが月31日だったり、祝日が入ったりするとさらに長くなる。
なぜ労基に踏み込まれないのか。
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