土が主原料の「3Dプリンターの家」販売スタート! 約70~80平米・価格2000万円~、来年から受注。間取りや強度など詳細レポート 熊本
また構造に関しては、現行法で土を構造体として使用できないという状況もあり、木造軸組構造を主構造とし、構造体は木、造形は土のハイブリッドだ。「model B」は耐震等級3相当で設計されており、これは熊本地震の最大震度7にも耐えうる強度である。
自然素材とテクノロジーのかけ算で、快適な住空間を創出
では、居住空間の快適性はどうだろうか?
「model B」の中を見てみる。床面積約100平米の居住空間に、LDK、トイレ、バス、居室、中庭などが設けられている平屋の住宅だ。プロトタイプだった「model A」と違い、「住居として住める」形として完成されている。
デザインの自由度が高いという3Dプリンターの特性を兼ねて、空間を小分けにしたようなクラスター型の間取りに。大窓などで外部環境を取り入れられる設計となっている。
土壁と親和性の高い木の建材も取り入れられており、自然の優しい温もりを感じられる質感と従来の木造住宅にはないデザイン性を兼ね備えた空間だ。



お披露目当日は快晴で35℃を超える酷暑だったが、これだけの大窓がありながら、屋内はどの部屋も快適で静かだった。土壁内に断熱材が充填されているのはもちろん、土壁自体も高い調湿機能を持ち、日本の気候風土に合った機能性を持っており、過ごしやすい室内空間をつくり出してくれるという。
そして、テクノロジーがさらなる快適性を補填する。
IoTによる次世代住宅管理システムを搭載。壁の内側にセンサーをつけてリアルタイムで壁の中の温度・湿度をモニタリングできるシステムを備えている。万が一、雨漏りなどの浸水があっても即座に察知し防ぐことができるなど、「家の健康」を監視できる機能だ。