土が主原料の「3Dプリンターの家」販売スタート! 約70~80平米・価格2000万円~、来年から受注。間取りや強度など詳細レポート 熊本

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これまでのプロトタイプモデルを経て、今回お披露目された2作目「model B」は、一般販売を視野に入れた実用化段階へと踏み出した一棟となる。

完成式典の様子
山鹿市鹿央町にある同社敷地内に建てられた「model B」。その完成式典の様子(写真撮影/中川千代美)
瀬口さん
完成披露記者会見に臨む、代表取締役社長の瀬口 力(せぐち・ちから)さん(写真撮影/中川千代美)

住宅業界の課題解決から環境問題まで。未来を切り拓く

この3Dプリンター住宅を生み出した背景について、代表取締役社長の瀬口 力(せぐち・ちから)さんはこう語る。

「自動車や電化製品などは技術革新が加速度的に進んでいますが、住宅業界は50年以上、構造もデザインもほとんど変わっていません。しかし今、住宅建設業界は深刻な課題を抱えています。その課題を解決し、住宅の未来を大きく進化させるには、抜本的な変革が必要なのです」

瀬口氏が指摘する「深刻な課題」の1つが職人不足だ。日本国内の大工の人数は、10年後には半減、20年後にはさらに減少するという予測もある。さらに、建築コストの高騰や工期の長さといった問題も、従来型の家づくりを圧迫している。

「今後も物価高が続いていき住宅が高騰していけば、高級バッグの一品制作のようにアート作品化していき、一部の人に限られた商材と化し、一般の人の手には届かなくなる、そんな未来も予想できます。しかし、3Dプリンターの活用によって住宅を工業製品化することで、これらの課題を解決し、住宅の未来を大きく切り拓くことに繋げたいと思っています」

「model B」のコンセプトは「サステナビリティ&テクノロジー」。高精度な再現性と工期の短縮を実現する3Dプリンター技術に、自然素材である「土」を掛け合わせることで、環境負荷の軽減と建築コストの抑制という課題に同時に応える。

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