朝ドラ【あんぱん】やなせたかし、バイキンマンを誕生させたワケ 子どもたちの間で『アンパンマン』がじわじわ人気に
主題歌については、やなせが「知らない人は知らないが、知ってる人なら知っている」というフレーズから始まる歌詞を書いて、いずみたくを「へんなテーマソングだなあ」と苦笑させた。これがテレビアニメ化される前のアンパンマンの絵本のCMソングとしても使われることになる。
このミュージカルは、いずみたくが亡くなるまで16年にわたって続けられた。その間には、舞台を盛り上げるために生まれたキャラクターもいたという。
「アンパンマン」に登場するキャラは2300以上
「アンパンマン」に登場するキャラクターを問われれば、主役のアンパンマン以外に、誰もが数個は挙げられるのではないだろうか。
ドキンちゃん、しょくぱんまん、カレーパンマン、メロンパンナ、クリームパンダ、ホラーマン、かびるんるん、そして「どんぶりまんトリオ」(てんどんまん、カツドンマン、かまめしどん)などなど……。
2009年には「単独アニメーションシリーズでのキャラクター数」においてギネス認定を受けており、その時点での数は1768体だというから驚きだ。その後も増え続けて、現在では2300体以上のキャラクターが登場しているという。
そのなかで、ミュージカルの舞台で生まれたキャラクターが「バイキンマン」だ。観客の反応を観ているうちに「敵役が必要だ」と気づいたのだという。どんな敵がアンパンマンにはふさわしいか。バイキンマンを考案した経緯を、やなせはこう振り返っている。
「あんパンが食品だから、かたき役はバイキンがいいかなと思いついて。世界中見ても、ばい菌のキャラクターなんていないんですよ。なぜかって、ばい菌は目に見えないほど小さいものだから。そこで一つのシンボルとして、バイキンマンというのを描いてみたんです」
ちょうど筆者は3歳の三女を連れて、横浜のアンパンマンミュージアムでショーを観てきたばかりだが、確かにバイキンマンの登場によって、子どもたちが物語にどんどん引き込まれていくのを感じた。やなせも「これは成功だった」としながら、バイキンマン登場がもたらした効果をこう分析している。
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