廃れた休憩所が「予約困難なサウナリゾート」に変身のリアル。《東京・奥多摩》 売りは薪ストーブサウナと湧水の水風呂

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建物・土地の賃料、工事費その他をかけても十分に見合うビジネスになることが予測される。今後、民泊サイトなどに登録、海外に向けてもPRしていく予定というから、将来的には面白いことになるかもしれない。

投資サイトではないので詳細は省くが、人に来てほしい、従来のやり方でいえば観光資源と言われるものに乏しく、空き家がある地域なら面白い取り組みと思うが、難しいのは物件探しと久田さん。

「今回は地元に詳しい人が企画、自分で物件を探したことで目の前が川という得難い立地の建物に巡り合うことができましたが、空き家バンク、不動産会社などの情報からは眺望、環境についての詳細を知ることができないのが一般的。

地元の人にとって眺望はいつも見慣れているものなので価値と考えられていないことが多く、そこから候補となる土地、物件を探していくのは難しい。そのため、地図や売買掲示板サイトなどからあたりを付け、謄本を上げて調べるという地道な作業を繰り返しています」

駐車場から宿までの道
駐車場から宿まではこんな道。それほど距離はないが、隠れ家に向かう雰囲気がある(写真:筆者撮影)
宿の手前の風景
坂を下った先、宿の手前の風景(写真:筆者撮影)

眺望や環境の良さをいかに見抜くか

それ以外の立地でいえば不便であっても車で行ける場所ならほとんど問題はないそうで、道中もグループ利用の場合にはアトラクションとして楽しんでもらえると久田さん。

サウナ目的の人達はサウナさえあれば良いという人も多いので、周辺に何もないこともそれほどマイナスにはならない。

立地
緑に囲まれる環境(写真:筆者撮影)
ハンモック
宿泊棟の前にはハンモックがあり、眼前の景色と静かな時間を楽しめる(写真:ナイン提供)

最近はホテル泊でも飲食を持ち込む例が増えているので、飲食店が少ないことも大きな障壁とまではならない。つまり、問題はひたすら立地。それさえ見抜く目があれば廃居は蘇るかもしれないのである。

【写真】記事に未掲載の写真も多数!緑と水辺の風景が美しいシンプル・モダンなサウナリゾート、改装前と現在の写真など(33枚)
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中川 寛子 東京情報堂代表

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なかがわ ひろこ / Hiroko Nakagawa

住まいと街の解説者。(株)東京情報堂代表取締役。オールアバウト「住みやすい街選び(首都圏)」ガイド。30年以上不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービスその他街の住み心地をテーマにした取材、原稿が多い。主な著書に『「この街」に住んではいけない!』(マガジンハウス)、『解決!空き家問題』(ちくま新書)など。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会各会員。

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