「自分の思い通りに過ごせる家がほしかった」…。50代で叶えた「自分ファースト」の住まい〜家族を支え続けた日々からたどり着いた私の選択
産休明けのスタッフが復帰した時点で、お店の状況をみんなに話しました。3カ月くらいで元の売り上げに戻らなければ、閉店するつもりだったのです。
みんなめちゃめちゃ驚いていましたが、本当によく頑張ってくれました。そして、ずっとずっと支えてくださっているお客様のおかげで、3年ほどで経営は安定していったのです。
「自分を優先する」勇気
母屋のローンもあと2年半という2022年の夏。お客様から「遅くに結婚したから、家を建てるときに35年ローンが通らなかった」と聞いて、急に焦り出しました。
待って待って!私も51歳、お金借りられる? さっそく、お世話になっている銀行の担当者に相談したところ、お金は借りられるということで一安心。
そろそろ、先延ばしにしていた家のリフォームをやるしかない。本音を言えば、母が亡くなったあとに、自分の思い通りにしたい!ですが、年齢的にそうも言っていられないことに気がつき、重い腰を上げて動くことにしました。
しかし、見積もりを取ったところ、衝撃の結果が……。家が1軒建ちそうな金額です。しかも、外壁+ベランダ+1階の修繕だけで!どひゃ~となったと同時に、あのときの虚しさが蘇ってきました。
苦しかったサロンの立て直しの時期、自分だけが犠牲になっているという、あのやるせない気持ち。あと2年半でようやくローンが終わるのに、いまから80歳くらいまでのローンをまた組むのか。
完済し終えるころには、いまと同じような汚家になっているかもしれない。リフォームしても自分の老後にはまた、いまと同じようになっているかもしれない。
頭がくらくらしました。そのとき、ふと「待て待て。ここに小さい家を建てられないかな?」と思いました。というのも、母屋の横に8畳くらいのプレハブを置いて、趣味(副業でもある)の彫金のアトリエとして使っていたのです。
そのスペースがあっても、まだほかに車が4台ほど停められる広さがある! のちにマイホーム建築をお願いすることになる工務店の人に現地を見てもらうと、18坪程度の家であれば建てられるということでした。
私のドン底だった気持ちに光が差し込んだ瞬間です。夢のまた夢だと思っていたことが、叶うかもしれない!母に「リフォームをせずに、隣に自分だけの家を建てる」と言うと、ものすごく怒っていましたが、最後は納得してくれました。
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