キーエンスで、上司が部下に「さん付け」「です、ます口調」で話すことを徹底する合理的な理由

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無理難題にも思えますが、ご安心を。一見矛盾するこの課題は、大きく分けて2つの方法で解決できます。

①仕事の効率化を徹底する

営業事務の方とも連携して、「宿題」を持ち帰らないようにする。単語登録を駆使してメールを超短時間で書く。アプローチファイルを充実させて、短時間で翌日の準備をする。自分の仕事のためにかかる時間を圧縮し、部下のために使う時間を作り出すことができます。

②仕事の再現性を上げる

もう一つは、仕事の各ステップで再現性を上げることです。

営業を例にとると、アポ取りの電話をかける前には、かけるべき対象を的確に絞り込み、取引先候補を厳選した効率的なリストを作ります。

今需要が旺盛で、受注につながるのはどの業界のどんな部署なのか。今あなたが課題解決に役立てそうなのは、どんな商品を扱っている顧客なのか。競合の商品をたくさん使用しているのはどの顧客なのか。あなたが磨いてきた目利き力が問われます。

電話をかけるときは、これまでの経験を生かしたトーク術で、面談につなげる確率を上げたいところです。その結果、少ない電話の数で狙った数の面談アポを入れることができます。

過去にうまくいった面談を思い出し、成約率を上げることができれば、面談の数を増やさなくても従来を上回る実績を上げられるはず。そして、一度受注に成功した相手を的確にアフターフォローすることで、リピーターになっていただくことも可能です。

やるべき仕事の基本は同じなのですが、それぞれのステップでより高いレベルの仕事ができれば、限られた時間の中でもハイレベルな業績を上げることができます。

「過去の振りかえり」やっていますか?

クリエイティブや事務系の業種でも、考え方は同じです。過去の仕事を振りかえって、「なぜ成功したのか」「なぜ売れたのか」「なぜ失敗したのか」を細かく分析し、同様の事例でも再現できる方法を考えるのです。

部下のために時間を作ることは、あなた自身の仕事をさらに洗練させ、高い次元へと進化させてくれます。いいマネジャーになるための努力が、プレイヤーとしてのあなたも成長させてくれます。

そのためにも、「頼る」「任せる」を駆使しながら自分の仕事を徹底的に効率化し、再現性を高める工夫を凝らすようにしてください。

上司としての仕事と自分自身の仕事を両立させる術についてお伝えしましたが、実は上司としての仕事は自分自身にとって成長のチャンスでもあります。

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