すごい団地!「保育園、ドッグラン、畑を完備」「子育て中に"ご近所さん"を頼れる」 満室が続く《ハラッパ団地・草加》が、令和に人気を呼ぶワケ

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「2018年のスタート時は『全55戸が速攻で埋まってしまう』というほどの人気ではありませんでした。しかし、今はリノベーション物件の人気も出てきたので、興味を持つ方がよく見ているポータルサイトに情報を掲載させていただいたことで、徐々に反響が大きくなってきました。

この物件の情報が広がるにつれ、付随するさまざまな施設やコンセプトに共感していただく方がどんどん増えていきましたね」(森永さん)

ハラッパ団地
訪れた人も驚く、敷地内に作られたピザ釜!(写真:今井康一撮影)

つねに「ほぼ満室」の人気団地に

単なる「休眠不動産の賃貸物件としての再生」ではなく、地域のコミュニティ形成、およびその帰結としての地域活性化に向けて、明確なコンセプトを掲げて立ち上げられた、「ハラッパ団地・草加」。その後もイベント企画の増加など、さまざまな施策でコンセプトの強化に努めてきた。

この3年くらいは長期の空室はほとんどなく、仮に空室が出ても1カ月程度で次の住民が決まっているという状態だという。

「現在は、今行っている月2回のイベント(ハタケ部、および季節のイベント)を軸にして、引き続き、居住者の皆さんや近隣住民の皆さんの交流の場を作っていきたいと考えています。

それ以上のことは私たちが旗を振るよりも、今度は入居者の皆さん同士が、自発的にコミュニティの形成・維持に向けて自走していけるような環境ができればと。いい形でうまく回り始めたコミュニティを、私たちが外から、長く見守り続けていければ最高ですね」(森永さん)

ハラッパ団地
子どもたちが自由に遊べる場所が少なくなっている今、貴重な場を提供している(写真:今井康一撮影)

かつて高度経済成長を背景に、大都市圏の周辺に一気に増えた「団地」や「ニュータウン」。その多くが現在は老朽化し、住民の高齢化も問題になっている。

「ハラッパ団地・草加」は、そういったネガティブイメージを払拭して「団地の魅力」を改めてアピールすることで、社会問題の解決に向けた1つのヒントを提示してくれているのかもしれない。

奥津 圭介 ライター/編集者

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おくつ けいすけ / Keisuke Okutsu

1975年生まれ。一橋大学法学部卒。某損害保険会社勤務を経て、フリーランス・ライターとして独立。ビジネス書、実用書から野球関連の単行本、マンガ・映画・ドラマの公式ガイドなどを中心に編集・執筆。著書に『中間管理録トネガワの悪魔的人生相談』『マンガでわかるビジネス統計超入門』(シナリオ担当)など。

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