「50代独身、団地暮らし」に猛烈に惹かれるワケ 「団地のふたり」が織りなす"なんかいい暮らし"

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団地のふたり
生まれ育った団地で、好きなものに囲まれて、気の置けない幼馴染と食事をともにする(画像:NHK『団地のふたり』公式サイトより)

団地、それは世界の縮図というファンタジーである。

小泉今日子と小林聡美が団地に住む幼馴染を演じている『団地のふたり』(NHK BS)が日曜の夜の癒やしになっている。ふたりを見ていると団地生活への憧憬が湧き上がっていく。こんなふうに日々を過ごせたらいいのに。

昨今はやりの「団地再生現象」そのもの

原作は藤野千夜による小説で、独身の50代、ノエチこと野枝(小泉今日子)となっちゃんこと奈津子(小林聡美)の日常がつづられる。ふたりは団地育ちで、社会人になったときいったん団地を出たものの、紆余曲折あって再び団地に戻って来た。

ノエチは両親と暮らしている。なっちゃんは父が亡くなり、母は親戚の介護のために不在で、ひとり暮らし。なっちゃんは料理が得意で、ノエチはしょっちゅうなっちゃんの部屋に食事をしに訪れる。

イラストレーターであるなっちゃんの部屋はセンスよく整えられており、ダイニングテーブルといすやステンドガラスなどは真似したいインテリアで、ときにベランダをテラスのようにしてご飯を食べたり明かりを灯してお酒を飲んだり。

このおしゃれな感じは昨今はやりの団地再生現象そのものではないか。

いま、団地をリノベーションして新たな住み手を募集する試みが日本中で活況である。高度成長期に多く建設された団地は、バブルが崩壊した頃辺りから老朽化が目立つようになり、それとともに住人の第1世代も高齢化、団地を次世代に引き継ぐ策としてリノベーションが盛んだ。

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