「50代独身、団地暮らし」に猛烈に惹かれるワケ 「団地のふたり」が織りなす"なんかいい暮らし"
外側は古いが、内装はきれいに。水回りや設備を新品に替え、和室もフローリングにして、現代人に住み心地をよくしたうえで、家賃も抑えめとあって若者や子育て世代に注目されている。一部屋すべて無印良品の家具でしつらえた物件などもある。
原作者の藤野も団地に住んでいるらしい。じつは筆者も京都のリノベ団地を借りている。
『団地のふたり』の団地はまだ築古のままで、なっちゃんのキッチンには昭和を思わせる湯沸かし器が鎮座ましまし、居間も寝室も和室である。第7回でようやく建て替えの話が持ち上がってきたところ。
いや、これまでも何度か建て替えの話が出たものの、住人全員の同意が得られないと実行できないでいた。これも昨今のマンションや団地の問題そのものである。
団地の建て替え問題と50代の人生が重なる
建て替えするかどうするかの過渡期にある『団地のふたり』の団地は、50代で人生のピークを過ぎたノエチとなっちゃんとも重なって見える。
なっちゃんは昔は売れっ子だったがいまは仕事が減り、ノエチは子どものときは優秀だったが、大学の出世争いから外れ、いまは非常勤講師をしている。離婚も経験している。そして、「おばさん」であることも自覚している。
美魔女でもなく、50を過ぎてもバリバリ活躍しているわけでもない。でも、日々、のんびり楽しくやっている。フリマアプリで古道具を売ったお金でちょっと美味しいものを食べたり。
ふたりが楽しそうにしているのを見ていると、あくせくしなくていいのではないかと思えてくる。リノベもしてもいいししなくてもいいのではないかとも。フリマをやろうかとも(ドラマに影響されすぎ)。
彼女たちの親世代(団地第1世代)もまだ現役で元気で暮らしていて、ノエチとなっちゃんは網戸の張り替えを手伝うなど、高齢者たちともうまくやっている。住人の入れ替え期でもあって、新たな住人たちも入ってくる。
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