「野菜を先に食べる健康法」に科学的根拠はあるか…実は日本でしか検証されていない謎ルール

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また、ベジファーストを心がけることが(足りない)野菜の摂取量増加につながるなら、健康に少なからず良い影響はあると思います。

日本ならではのトピック?

ただ、その効果量はそこまで大きくないかもしれないし、個人差も大きいと考えられます。「頑張ってベジファーストをやってみたけど3カ月しか続かなかった」だと、人生というスパンで見た時にはほぼ意味がないです。

「頑張って」できるほど食習慣改善は甘くありません。自分の生活スタイルにマッチする方法、関連する環境の調整を行うのが本質です。

なお、実はアメリカを含む多くの欧米諸国では、普段の食事がほぼ単品料理だったりするので、「何を先に食べるか」なんて考える機会すらあまりないのかもしれません。今後ベジファーストがアメリカの食事ガイドラインで大きく取り上げられる動きは今のところありません。

日本では主食と別に野菜のおかずを食べる習慣があるからこそ、「食べる順序」が1つのトピックになり得るのかもしれません。特に違和感なくベジファーストができている方は、それを変える必要は全くありません。

【参考文献】
※1.Tanaka T, Sakamoto H, Matsuoka R, Utsunomiya K. Ingestion of vegetable salads before rice inhibits the increase in postprandial serum glucose levels in healthy subjects. Biosci Biotechnol Biochem. 2023;87:1212-1218.
※2.Imai S, Kajiyama S, Kitta K, Miyawaki T, Matsumoto S, Ozasa N, Kajiyama S, Hashimoto Y, Fukui M. Eating Vegetables First Regardless of Eating Speed Has a Significant Reducing Effect on Postprandial Blood Glucose and Insulin in Young Healthy Women: Randomized Controlled Cross-Over Study. Nutrients.2023;15:1174.
※3.Nitta A, Imai S, Kajiayama S, Matsuda M, Miyawaki T, Matsumoto S, Kajiyama S, Hashimoto Y, Ozasa N, Fukui M. Impact of Dietitian-Led Nutrition Therapy of Food Order on 5-Year Glycemic Control in Outpatients with Type 2 Diabetes at Primary Care Clinic: Retrospective Cohort Study. Nutrients. 2022;14:2865.
※4.Patnode CD, Redmond N, Iacocca MO, Henninger M. Behavioral Counseling Interventions to Promote a Healthy Diet and Physical Activity for Cardiovascular Disease Prevention in Adults Without Known Cardiovascular Disease Risk Factors: Updated Systematic Review for the U.S. Preventive Services Task Force [Internet]. Rockville (MD): Agency for Healthcare Research and Quality (US); 2022 [cited 2023 May 22];Available from: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK583091/
濱谷 陸太 ハーバード大学医学部講師/医師

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はまや りくた / Rikuta Hamaya

専門は予防医療、特に食事やサプリメントを用いた予防的介入の個別化。循環器内科医として臨床経験を積んだ後、ハーバード大学で疫学博士を取得。現在はブリガムアンドウィメンズ病院で予防医療研究の講師(インストラクター)を務める。また、日本で株式会社エブリワン・コホートを創業し、日本の予防医療を発展させるべくCEOとして活動中。3児の父。

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