「主婦なのに総菜を出すな」モラハラ気味の再婚夫に"涙で対抗"──48歳女性がつかんだ「晩婚ライフ」の現実と"工夫"

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余談になるが、筆者はライター業と趣味を兼ねて独身の読者同士を引き合わせる「お見合いおじさん」活動を続けている。

都市部にいる30代前半女性は同世代を含む男性からのニーズもある一方で、結婚相手に求める条件が高めかつ散漫になりがちだと痛感する日々だ。せっかく紹介されたのに「犬より猫が好き」だからと会うことすら遠慮した真理子さんはその典型である。

そして、同じ独身女性も5年後は状況が一変する。アラフォーの男性は条件が良ければ10歳年下であるアラサー女性を狙い続けられるのに対して、女性のほうだけ結婚相手としての需要が激減するのだ。5年前と同じ感覚で婚活をしても苦戦するケースが多く、10歳ほど年上の男性などを視野に入れることをおすすめしている。

真理子さんの場合は幸運に恵まれていた。同業界の人からも「こじらせている」と言われていた則之さんが独身のまま残っていたからだ。

「その頃に現場の交流会があり、彼の仕事ぶりを見せてもらったことがあります。それが素晴らしくて友達になりたいなと思ったことを覚えています」

40歳の当時、他に恋人がいたという真理子さん。結婚もしたかったが、「普段はすごく優しいのに車の運転中に急に怒鳴ったりする」相手に不安を感じていた。仕事もできて穏やかな則之さんと定期的に会うようになり、「将来的には福岡に帰って公務員を続けるつもり」という話を聞いてからは親近感が募るようになった。

「男性恐怖症になりかけていた私は自分から押すのは嫌でした。でも、共通の知り合いに言わせると、彼も10年以上前に婚約者に逃げられてしまったそうです。結婚用に買ったマンションで犬と暮らし続けているほどこじらせているので、こちらからもうちょっと押すべきだとアドバイスしてもらいました」

結婚後に見えてきた、則之さんの男尊女卑的な性質

真理子さんのほうから誘って何度か飲みに行ったところ、「今度の夏休みは一緒に福岡に帰ってくれますか?」という言葉を則之さんから引き出せた。真理子さんは42歳になっていた。結婚を急ぐべきだが、お互いに仕事が忙しくて週に1度会えるか会えないかの日々が続いた。

則之さんも「結婚はいずれ福岡に帰るタイミングでいいかな」と言い始め、そのうちに現場で出世をして退職しにくくなってしまった。結婚したのは付き合い始めてから4年後だった。

「異動時期を考慮して、私が主人のマンションでようやく同居を始めたのが2022年末です。その年度末に入籍をして、1年間かけて福岡に移る準備をすることにしました。まずは彼が福岡での採用試験を受けて合格し、東京の仕事を引き継いで、お世話になった方々に挨拶。両家の顔合わせや食事会、フォトウェディングの手配はすべて私がやりました」

2024年の春からは則之さんが福岡での勤務をスタート。同時期に東京での職場を辞めた真理子さんは則之さんのマンションの後片付け、犬の世話、新居探しなどを一手に引き受けた。

誤算だったことがある。東京では穏やかな人柄に見えた則之さんは、地元に帰ると男尊女卑的な性質が目立つようになったことだ。

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