「日本は、すぐに死なずに済む国なんだ…」年収5500万円から生活保護に転落した作家の"どん底での新発見"

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ビジネスのキャンペーンと銘打って、もともとのお客さんだった人たちに個別で連絡をとってみる。

立花さん
2018年8月。ザ・リッツ・カールトン東京でセミナー後の懇親会の乾杯シーン。受講生が撮ってくれた写真(写真:立花さん提供)

「僕の当時メインの収益源は継続コンサルだったので、候補の人に連絡をしていきました。たくさんいたので、5日前ぐらいからどんどん連絡して『キャンペーンで今だけ30万円を25万円にしますよ』みたいな。しかし、全部断られてしまって」

愕然とした。言葉を失った。

「すでに正気でない僕は『誰だったらお金を貸してくれるか、この人だったら貸してくれるんじゃないか』という人のリストを、Macのメモ帳に思いつく限り書いていったんです」

ビジネス関係で資産家とつながりがあった立花さんは「富裕層で、個人的に信頼関係が確立できていると思っていた人」を挙げていく。

「ああ、もう全然足りないわ、ダメだわ」

「これだけお金を持っている人なら、多少の借金を申し出ても、痛くも痒くもないだろう、迷惑もかからない程度だろう」と思った。

「結局、5人に連絡をしたんですが、まあ、相手からしてみたら『あっ、この人、病んでいるな』みたいな状況ですよね。『この人にお金貸したら絶対返ってこないな』と思われていたと思います」

当然のように、全部断られてしまった。

そして迎えた、引き落とし日の9月27日。

完全降伏。支払いはできなかった。

「資金が足りないのは少しではなく『ああ、もう全然足りないわ、ダメだわ』とお手上げレベルでした。そのときに心が『プツン』と切れたんです。もう音が聞こえるくらいに、プツンと」

立花さんの世界観はこの27日を境に大きく変わった。心は境界線を越え、うつに身を任せるようになった。

「『家賃が払えなければ追い出されればいいし、追い出されたら自殺すればいい』と思っていました。そして実際に誰とも一切連絡を取らずに、一カ月ほど自宅に篭城していたんです」

完全にうつに身を任せたので、その9月27日以降は、資金繰りの相談は一切誰にもしていない。

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