実は対象となる収入が異なる「税」と「社会保険」…昨今話題の《年収の壁》の間にある"厄介な隙間"とは
②は、2025年中に居住した住宅借入金控除についてですが、住宅を取得した2025年分は本人が確定申告をするため、年末調整への影響は、2026年からになります。
③および④は、2026年1月1日以降に支払う退職金について、源泉徴収の計算方法と提出範囲の変更がありますので、退職金の支払いを予定している場合は、確認しておきましょう。
⑤については、2025年は、年末調整のみで対応する特定親族特別控除について、所得の見積額が100万円以下であれば、2026年からは、給与・賞与の計算の都度、控除対象扶養親族としてカウントできるというものです。
そのため、2026年の扶養控除等異動申告書には、特定扶養親族に加え、特定親族も記載され、所得の見積額についての確認が必要になります。
税・社会保険のそれぞれの「壁」の要件を押さえる
給与・年末調整の担当者は、税・社会保険のそれぞれの「壁」の要件を押さえ、従業員からの問い合わせに対応できるようにしておかなければなりません。
2025年は、特定親族特別控除の確認のため、年末調整で特定親族特別控除申告書が新たに追加になります。現行の「基・配・所」の申告書と兼用となり、「基・配・特・所」と様式が変更されます。また、源泉徴収票も記載項目が増えることで様式変更が確定しています。
財務省・国税庁からは、給与計算や年末調整での源泉徴収についてのパンフレットやQ&Aが公開されています。新たな控除の創設もあり、実務対応で不明な点がないよう、情報収集をしていきましょう。
会計事務所で14年間、社会保険労務士として10年以上の実務経験を持ち、実務担当者の目線で、労務管理や給与計算、人事労務担当者へのアドバイス、業務改善サポートやメンタルヘルス対策のコンサルティング等を行う。講師としても、多くの企業向けセミナー・研修を企画し、「働き方改革」「改正育児・介護休業法」「改正労働基準法」など、全国で精力的に講演活動を行っている。
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