産業医が教える「本音で話すのが苦手」が治るヒント。自分らしく生きて「生きづらさ」から脱却するための2つの方法
自分の本音を伝えるのは、否定や拒絶、批判、攻撃に遭うこともあり、怖いと感じるかもしれません。むしろこれまで「怖い」と感じて、自分の本音を押し込めて他者や社会に過剰適応してきた人もいるでしょう。でも、自分を大切にして生きていきたいと望むなら、そのままの自分で他者・社会と関わっていくための一歩を踏み出すことも大事です。
ただし、最初から誰にでも本音で話すのはおすすめしません。相手によっては否定、拒絶、批判、攻撃が返ってこないとも限らないので、本音を話すのは、自分が安全安心を感じられる相手から始めるのがいいでしょう。また、いきなり本音で対話するのはハードルが高いと感じる人は、次に紹介する方法を試してみてください。
まずは会話から始める
会話もない人と対話するのは難しいので、まずは会話から始めるとよいでしょう。ここで「会話」と「対話」の違いを説明します。
会話とは、自分以外の話をすることです。例えば、天気の話、ドラマや映画の話、同僚や上司の噂話、業務的な話などは、自分の話ではないので、すべて会話です。対話とは、自分の話をすることです。自分はどう感じているのか、どんな価値観を大事にしているのか。これらは自分の話なので、対話です。
補足しておきたいことは、仕事の話やキャリアそのものの話は自分の話ではありません。仕事やキャリアについて「どう感じているか」、「どう考えているか」という内容であれば自分の話です。一般的に「コミュニケーション」というと、会話を指すことが多いでしょう。
企業研修などで「コミュニケーションが大事です」とお伝えすると、多くの人は「大丈夫です、コミュニケーションはしっかり取っています」とおっしゃいますが、大抵は業務上のやり取りをコミュニケーションと捉えているという印象です。
自分以外の話をいくら重ねても、対話のような深いコミュニケーションには及びません。つながりを感じる人間関係を構築するには、やはり対話が望ましいと言えます。とはいえ、現状ではコミュニケーションが圧倒的に不足している状況であれば、その入り口としての会話は必要です。まずは会話から始めてみましょう。
どんな話をしていても、その人の中身は自然にあふれ出てくるものなので、会話を通して本音を聞けることもあります。
例えば最近見た映画の話題なら、「あの映画はこんなところが好き」「あの場面が印象的だった」といった話から、その人の気持ち・考え・価値観に触れることはできそうです。それに対して自分が感じたことを伝えてみれば、それはもう対話と言えるかもしれません。
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