
配偶者に「ありがとう」とか「好きだよ」といった言葉を伝えているだろうか。照れくさいし水臭いので必要ないと断じる人は、パートナーの感情や価値観を少し軽く扱っているかもしれない。自分の考えや気持ちを言わずとも察してもらえると期待しているのだとしたら甘えだと思う。
親しき中にも礼儀あり。夫婦はお互いに最大の味方でありながらも、最も身近な他人なのだ。知った気になるのではなく、興味と尊敬を持ってコミュニケーションをし続けることが肝要だと思う。
キャベツ畑の中心で愛を叫ぶ人たちの謎
筆者がこのように主張するまでもなく、20年前からそれを大勢で実行している団体がある。その名も「日本愛妻家協会」。自称愛妻家が集まるのであれば気持ち悪いなと思っていたら、事務局長代理の肩書きを持つ小菅隆太さん(49歳)に聞いてみたら実態は全く違っていた。
「愛妻家とは妻が評価・認定するものです。自称できないところがミソで、少なくとも日本愛妻家協会は自称愛妻家の集まりではありません」

ならばどんな人たちが集まって何をしているのか。
日本愛妻家協会の主な活動は、世界の中心ならぬキャベツ畑の中心で愛を叫ぶというもの。舞台は群馬県吾妻郡嬬恋村のキャベツ畑。妻だけでなく、観客やメディアが見守る前で感謝と愛情の言葉を大声で発するのだ。通称、キャベチュー。昭和の香りが漂うネーミングだが、長く続いているところがすごい。かつては自らの夫婦関係も崩壊寸前だったと明かす小菅さんに話を聞いた。
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