産業医が教える「本音で話すのが苦手」が治るヒント。自分らしく生きて「生きづらさ」から脱却するための2つの方法

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夕食後、妻が食器を洗っていると、夫がお酒を飲みながらひとりでくつろいでいる。それを見た妻が「少しは手伝ってくれたらいいのに」とイライラする─。これは家庭でありがちな光景ではないでしょうか。

「少しは手伝ってほしい」という妻のニーズは、言葉にしないと夫には伝わらないです。ただし、自分の気持ちの伝え方が表面的な表現で留まってしまうと、相手にこちらの真意が伝わらずに、断られることがあります。

妻「私、まだ家事が残っているから、皿洗いをあなたが手伝ってくれると助かるんだけど」
夫「あ~、今はやりたくないな」

これだと妻は、「なんで手伝ってくれないの!?」とますますイライラを募らせることになります。

妻の本音はどこにあった?

ここで、もう少し妻の本音を深掘りしてみましょう。「少しは手伝ってくれたらいいのに」というイライラの根っこにはどんな感情があるでしょうか。

妻にしてみれば、「私ばかりやってる気がする」という不満があるかもしれません。「本当は夫婦で協力してやっていきたいのに、夫の非協力的な態度にがっかりしている」「そもそもどうやって家事分担をするかも話し合えていない。大切なことをお互いに話せていないことが寂しい」といった気持ちもあるかもしれません。

本音とは、表面的な感情の奥にある深い感情や、感情を生み出すもととなる価値観、信念と言い換えてもいいでしょう。

妻「私ばかり皿洗いしている今の状況が嫌なんだよね。夫婦なんだからもっと協力してやっていきたい。私には大事なことだから、あなたとも話したいと思ってるんだけど」

本音で話せば、相手からも本音が返ってくることがあります。もしかすると、非協力的だと思っていた夫は、「協力したくない」のではなくて、「実家では母親が全部家事をやっていたから、それが普通だと思っていた」のかもしれません。

そうであれば、「じゃあ、私たち夫婦はどうやっていくか」を建設的に話し合うことができます。本当はどう思っているのか。それをお互いに伝え合うことから、他者とのつながりが感じられるようになり、自分のことも相手のことも大切にする関わりが育まれていきます。

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