銀行の頭脳は管理本部、縁の下の力持ちは事業本部――専門家が明かす「各部門の裏側」
続いて紹介する事業部は、人事や経理、総務に代表される間接部門であるとともに、銀行全体の方向性を定める「頭脳」でもある「経営・管理本部」です。
特に総合企画部、経営企画部などの部署は企画部門とも呼ばれ、銀行の「花形」だといわれてきました。中期経営計画を策定するなど銀行全体の経営戦略を定め、その進捗を管理するなど、中枢の役割を担っているからです。
監督官庁である金融庁への対応、全国銀行業協会や全国地方銀行協会をはじめとする、さまざまな協会活動を行うのも企画部門です。
また、一般企業における経理、財務であり、日々の資金の管理や決算なども行う主計部門も企画部門に含まれるのが一般的で、ALM(Asset Liability Management)と呼ばれる市場金利に対する資産、負債の価値変動リスクなどの管理を行うリスク管理部門、さらには広報、IR部門なども総合(経営)企画部内にある銀行が少なくありません。
このように、経営戦略や予算に関わる企画部門は強い権限を持ち、ほとんどの施策が総合企画部の承認を得なければ実行できない銀行もあります。
もっとも、その役割や位置づけは銀行によっても異なっていて、より支店に近い営業本部が力を持っているケース、例えば営業企画部などが実質的に戦略を策定している銀行もあります。
そのほか、「経営・管理本部」には人事部、総務部などもありますが、これらは一般企業とそれほど変わらないため、イメージしやすいのではないでしょうか。ただし、銀行では人事部が企画部門と並んで強い権限を持ち、いわゆるエリートコースとなっている場合もあるようです。
証券業務や国際業務の担い手
最後に紹介するのは「証券・国際本部」で、証券業務や国際業務の担い手となる部門です。
もちろん、証券部門と国際部門とが分かれている場合もあり、特にメガバングなどでは国際部門の規模も大きく、さまざまな部署があるため、海外を舞台としたもう1つの銀行があるとすらいえるくらいの巨大部門になっています。
証券部門の部署としては資金証券部などがありますが、この資金証券部が銀行の証券業務のうちディーリング業務などを行っています。
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