銀行の頭脳は管理本部、縁の下の力持ちは事業本部――専門家が明かす「各部門の裏側」
営業本部、営業部門にある部署は銀行によって異なるものの、営業戦略の策定や商品の開発、設計といった企画系の業務を行うのが営業企画部、営業目標の設定や実際に支店を訪問してそのフォローなどを行うのが営業推進部、営業企画と営業推進を兼ねるのが営業統括部といった部署名になる場合が多いようです。
ただし、例えば同じ営業企画部という名称でも、銀行によって役割が違うことは少なくありません。
また、個人営業と法人営業の部署を分けているケースもあります。もっとも、たとえ法人の顧客でも融資だけでなく、資産運用のニーズがあったりもしますから、個人と法人を分ける必要はないという考え方もあれば、それぞれの専門性を高めるために、やはり分けたほうがいいという考え方もあるでしょう。
当然、どちらかが正しいといったものではありませんから、銀行によっては個人と法人の部署を一体化したり、あるいは分割したりといった組織改正を繰り返すような事例もあります。
支店をサポートする「事務本部」
支店との関わりが深いもう1つの事業部が、「事務本部」です。こちらはまさに「縁の下の力持ち」で、裏方として支店を支えるイメージでしょうか。
まず、事務統括部は支店の営業活動に伴う事務手続きが円滑に、効率的に行えるようサポートします。
銀行の事務は銀行法などの法令に則ってルールが定められている場合が少なくありません。そうしたルールを「事務規定集」としてまとめている銀行が多く、その作成や改正などを行うのが事務統括部です。また、支店の事務作業の負担を減らすため、定型的な事務を集中的に行うのが「事務センター」で、その運営を行ったりもしています。
事務本部にはシステム部もあり、銀行の根幹でもある勘定系システムをはじめとする各種システムの開発、保守、管理などを行っています。また、ATMはもちろん、インターネットバンキングやタブレット端末を利用した提案ツール、アプリなど、支店や営業本部などとの連携が不可欠な領域も増えています。
今後は裏方というよりも、営業戦略に直接関わる必要性が増していくはずですし、すでにデジタル戦略が銀行の収益を大きく左右する時代になっているともいえます。だからこそ、今後も銀行の中で重要度が高まっていく部署であるのは間違いないでしょう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら