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ライフ #長寿の金言

「洋服は必ずリフォーム」「夫婦で自室を持つ」素敵な暮らしの88歳がたどり着いた、《最高に快適な老後》の生き方

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独立後、40代から日本の伝統工芸品や生活道具の世界に関わったことをきっかけに、62歳でふだん使いの漆器を中心にした「スペースたかもり」をオープンする。

『85歳現役、暮らしの中心は台所: 生活道具の使い手として考えた、老いた身にちょうどいい生き方と道具たち』(小学館)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

「使い手の立場で人さまに器をおすすめするという仕事は、私自身の器との関わり方や暮らしぶりをお伝えすることでもあります。そういうことを意識してみたら、私の暮らしのポイント、というほど大層なことでもないのだけど、それは若い頃から意外に変わっていないということがわかりました」

要約すれば、「動きやすい」「使いやすい」「心地よい」「面白い」「もったいない」「ちょうどいい」ーーこんな気持ちで暮らしている気がするという。

この感覚をたどっていくと、髙森さんの幼い頃の生活につながっていく。

両親とも石川県・輪島市の出身で、幼い頃から髙森さんは毎日の食事やおやつのときも輪島塗の器を使ってきたという。口あたりの温かさや手触りのよさといった輪島塗に宿る心地よさが、幼い記憶となって体が覚えていたのだろうか。

2024年1月1日、その輪島が大地震に、また9月には豪雨に襲われた。以来、髙森さんの日常に、輪島の漆人たちへの“応援作業”が加わった。

ギャラリー「スペースたかもり」には、自身で使い勝手を試したこだわりの器だけを置いている(写真:書籍『85歳現役、暮らしの中心は台所』より、撮影:長谷川潤)

洋服は、良質なものを繕いながら長く愛用

洋服についてのこだわりも昔から変わらない。

152センチ前後と小柄な髙森さんの好むデザインと体に合うサイズの洋服はなかなかないため、着心地とサイズ感が合うものを長く着続けている。

「そのため、それなりのお値段のものにはなってしまいますが、長く着ることを考えたら十分に元が取れています」

新しい洋服を購入したら、まずお直しに出して、マイサイズに直す。

着こんだお気に入りの服は、髙森さんの針仕事で小さな手直しも施していく。

長袖のひじ部分が傷んだらカットして半袖にしたり、ポツンとついたシミにはチクチクと刺し子を施して隠したりする。気に入らないボタンは新たに買い求めたボタンに取り換えることもあるという。

何度も繕いながら肌に馴染んできたという、お気に入りの洋服たち(撮影:梅谷秀司)
シンプルな洋服には、収集しているブローチをアクセントに。アクセサリーも漆が塗られたものが多い(撮影:梅谷秀司)

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【お金をいちばんかけたのは…】

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