
レトロな喫茶店「アレッタ」の店主・栗原薫さん90歳(写真:ヒダキトモコ撮影)
これから人は100年生きるという。しかし、お金や孤独、健康不安がなく老後を迎えられる人はどれくらいいるだろう。年を取ることが怖いーー。
多くの人が漠然とした不安を抱く中、老後の人生こそ謳歌している人もいる。その元気は、気力は、生きがいは、いったいどのようにして手に入れたのか。本連載では、“後期高齢者”になってなお輝いている先達に、老後をサバイブするヒントを聞く。
今回は前回に続き、喫茶店「アレッタ」を経営し、休みなく週7日店に立ち続ける“驚異の90歳”栗原薫さんにお話を伺った。
元気すぎる90歳「毎朝のルーティン」
「長生きの秘訣? なんにもないわよ。ただのんきに生きてきたら、この年になったのよ」
御年90歳の現役喫茶店店主・栗原薫さんは、おどけたように笑う。経営する喫茶店「アレッタ」は、定休日なしで週7日開けている。

オーナーでもありながら、調理から接客、掃除まで1人で行っている(写真:ヒダキトモコ撮影)
そのパワフルさは、母親ゆずりだという。
「地主の家に嫁いで“奥様”をしていたのに、40歳過ぎてから助産師になって、村のお産はほとんど母が取り上げたの」
その母の4女である栗原さんも、専業主婦だった43歳のときに一念発起して自宅の1階に店をオープンさせた。
昨年は乳がんの手術のために店を1週間ほど休んだが、その後驚く回復力を見せ、以降は休みなく毎日午前9時から午後7時まで1人で店に立つ。
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