朝食と夕食は真紀さんが用意してくれる。朝は栗原さんが大好きなおにぎりかサンドイッチ。パパッと食べたら洋服を選んでメイク、仏壇に手を合わせて、8時には階下の店に下りる。
ちなみに栗原さんは、メイクしない日はないという。
店に出たら、怒涛のタイムスケジュールだ。
8時からモーニングの下準備。
9時の開店と同時にモーニングの常連客たちが来店。てきぱきとパンを焼き、コーヒーを淹れて、テーブルに運ぶ。栗原さんも席について一緒におしゃべりを楽しむこともしばしば。
10時半からはランチの準備に取り掛かる。サービスの手作り前菜はあらかじめ皿に盛りつけてラップをかけておく。

「私1人しかいないから、とにかくお客さんを待たせないために早め早めの段取りしておくのよ。手を遊ばせない」と栗原さん。
11時半にランチタイムがスタート。店が混みだすと、オーダー、調理、配膳、食後のコーヒー、会計まで、何度も厨房とホールを往復する。

栗原さんが欠かさない「食事の内容」
15時からは翌日の仕込みだ。人気メニューのハンバーグは1回に3kg分のひき肉を手でこねて成型し、冷蔵庫で寝かせる。
その間も厨房とホールを行き来しながら、お客さんとおしゃべりを楽しむ。孫やひ孫のような若いお客さん相手にも会話のタネは豊富で、栗原さんの痛快なしゃべりっぷりに幾度も笑いが生まれていた。
17時、接客の合間に娘の真紀さんが用意した夕食を食べる。昼食は食べる時間がないので、10時間ぶりの食事だ。真紀さんが栄養のバランスと栗原さんの好みを考えて作ってくれる。

過去にイタリアで暮らしていた真紀さんが多く作るのはイタリアン。一般にシニアは和食ばかりという人も多いが、栗原さんはこってりしたものも大好きで、真紀さんよりも多い量をペロリと食べるという。
19時に閉店。しかし、まだ休まらない。厨房の片づけや仕込み、店内の清掃が残っている。毎日、椅子を全部引き出して、ほうきで隅々まで掃いてから、丁寧にモップ掛けをする。
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