「韓国コスメが大好き」な90歳! 「乳がんで手術も週7日店に立つ」喫茶店店主・栗原薫さんの《毎日ルーティン》が凄すぎた

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自分でできることと人に甘えていいことのさじ加減。これはシニアに限らず耳が痛い人は多いのではないか。年老いた親がいる場合、家族もつい甘やかしてしまうことがある。

栗原さんの場合、娘の真紀さんがしっかりとコントロールしてくれている。

「娘は私を動かすさじ加減がうまいのよ。やればできることは自分でやりなさいよって、手を貸さない。店のことには口出ししないけど、掃除だけはうるさくて、常にきれいにしておかないと怒られちゃう。でも、窓ガラス拭きは黙ってやってくれるの。窓ガラスを拭くのは大変なのよ」

アレッタ栗原さん
毎日店に出て、お客さんと接することも健康でいられる秘訣だという(写真:栗原さん提供)

ケンカした娘に贈ったもの

小さなケンカはしょっちゅうで、軽く頼んだことを「自分でできるでしょ!」とぴしゃりと返されることもあるが、「これ好きそう」と化粧品や洋服、健康グッズを買ってきてくれる。料理上手の真紀さんが作る手が込んだ食事は毎日の楽しみだ。

かつて栗原さんが息子の妻とのすれ違いをこぼしたときは、「あなたの最愛の息子が選んだお嫁さんだから、そんなふうに言っちゃダメ」と一喝。愚痴につきあってくれなかったと、栗原さんは苦笑いする。

長寿の金言連載
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夫を9年前に亡くしてから、真紀さんとの気ままな2人の暮らしが始まった。時々、栗原さんは真紀さんに宛てて手紙を書く。

「ケンカした夜は、ベッドに入っても『言いすぎちゃったな』と考え始めると眠れなくなって、夜中にごめんねって手紙を書くの。日頃の感謝は書き出すととまらなくなって、下手な字でつらつらと何枚も書いちゃう」

手紙だと意地も照れもなく、娘への素直な気持ちを伝えられる。「あなた、手紙はうまいわね」という真紀さんに、すかさず「そうでしょ」と胸を張る栗原さんだ。

家族といえども難しいのが親子の関係。老親との同居となるとなおさらだ。しかし2人を見ていると、その関係性に何かヒントが隠れているような気がしてきた。

アレッタ栗原さん
お客さんが撮影してくれた、栗原さんと娘の真紀さん(写真:栗原さん提供)

前編の記事はこちら→→【「43歳で喫茶店を開業」「乳がんで手術も1週間で復帰」 90歳の喫茶店店主が《がん罹患後も週7で店に立つ》ワケ

桜井 美貴子 ライター・編集者

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さくらい みきこ / Mikiko Sakurai

1965年生まれ。秋田県出身。出版社勤務の後、フリーランスの編集・ライターとして独立。医療、カネ、性などさまざまなテーマで取材、執筆を続けている。生活実用をはじめとした書籍の企画編集、人物インタビューなど、硬軟の現場を渡り歩く。

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