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ライフ #日本野球の今そこにある危機

広陵高校の"暴力事案"で露呈した甲子園強豪校が抱える構造的問題

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強豪校で寮生活する野球部員の多くは「修行僧」のような時間を過ごしているわけだ。寮のルールに加え、上級生は常に下級生に圧を加えてくる。挨拶などことあるごとにマウントをとることもある。

問題は、野球そのものは学年無関係の「実力競争」だということだ。下級生が上級生を差し置いて試合に出たり、レギュラーになることは普通にある。

寮生活では、上位者である上級生が、グラウンドでは控えに回る。この矛盾が、大きなストレスにつながる。野球部寮は、「厳しい上下関係」と「実力主義」が同居するという、矛盾に満ちた状況にある。これが部員間のストレスを生み、暴力沙汰につながっている可能性がある。

今の時代はレギュラーになる見込みのない選手も残る

1986年、桑田真澄、清原和博が在籍していたPL学園の野球部寮で野球部員が死亡する事件が起こったが、この時も、ベンチから外れた上級生が、ベンチ入りした下級生をいじめた結果だと報じられた。

昭和の時代も強豪校は、100人以上の部員がいるのが当たり前で、指導者はこの中から有望選手をより抜いていた。しかしこの当時は、レギュラーになれなかった部員の多くは野球部をやめたり、転校したりした。当時の指導者は持久走をさせて、途中でリタイアした部員に退部を勧告していた。この時代の野球選手は「入学したときは40人もいた同級生が、3年では10人以下になっていた」と述懐している。

しかし今は、レギュラーになる見込みのない選手もほとんどが退学、転校せずに学校にとどまっている。

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