広陵高校の"暴力事案"で露呈した甲子園強豪校が抱える構造的問題

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ベンチに入れなかった部員は、よく知られているように球場の応援席で、応援をする。「アゲアゲホイホイ」など、ベンチを外れた部員たちの独特の応援は、高校野球の名物のようになっている。

しかしながら、こうした部員たちも、「甲子園出場」を夢見て強豪校に入学している。不本意ながら競争に敗れ応援席に回っているのだ。試合に出ることなく、この夏で引退する3年生もたくさんいる。

厳しい規律がある「野球部寮」

甲子園に出場する強豪校のほとんどが「野球部寮」を設置し、部員はこの寮で共同生活を送っている。

野球部寮は、厳しい規律がある場合が多い。下級生は上級生に絶対服従。かつてのPL学園のように、下級生が上級生の身の回りの世話までする「部屋子」の習慣はなくなったが、それでも挨拶、マナーなど厳格なルールがある。

広陵高校の学校案内サイトには、野球部の「清風寮」の1日のスケジュールが紹介されている。朝6時半の起床、朝食の準備は1年生が担当、19時半の夕食は一斉に摂る。10時半に就寝と、スケジュールが細かく決められ、生徒は規則正しい生活を送ることになる。

これを見て安心する保護者もいるのだろうが、筆者などは「息がつまる」思いがする。同世代の高校生の多くは、学校が終われば自由な時間が待っている。部活や塾での勉強をする子もいるだろうが、ゲーム、「推し活」、友達との遊びなど、この年代でなければ愉しむことができない時間を過ごしている若者も多い。

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