「50階以上・1000世帯以上のタワマンだが”ペット同伴可”エレベーターは1台」豊洲のタワマン住人に聞いた”タワマン暮らし”の実際

もう一つ、タワマンでしばしば指摘されるのが「ゴミ問題」だ。エレベーターでゴミ置き場に行くだけでも大変ではないか、という指摘である。
しかし、男性のタワマンはゴミについて各階とも24時間出せるようになっているという。
「ゴミについては正直非常に楽です。一戸建てよりも遙かに楽ですし、粗大ゴミも下に捨てられます。ゴミを出したいときに出せるというのは非常に大きいです。今から一戸建てに戻れと言われても、このゴミは楽なので戻れないです」(男性)
宅配もよくタワマンの「欠点」として指摘される点であるが、実は大変なのは住民ではなく、業者の方だという。男性は「宅配が大変だというのは主に中小の運送事業者で、ヤマト運輸など大手であればむしろ楽かもしれません。というのも、タワマンの荷物は一つの建物だけでほぼ宅配に1日かかるからです」と話す。
タワマンの宅配だけでほぼ1日かかるのにむしろ楽、とはどういうことなのか。男性の説明によれば、大手宅配業者はマンションの下に車を止めてずっとピストン輸送するためだ。配達ミス、再配達などの事態がなければ、確かに一気に荷物は処理できる。
「ウーバーイーツなどの宅配業者にとっては非常に面倒だと思います。エレベーターホールに入ってもう一回セキュリティがあります。よく困っている姿を見るので、住民も『こうですよ』などと教え合っています」
資産価値は購入時の「2倍程度」
こうして長所、短所それぞれあるタワマンだが、20年程度経って老朽化が主要議題になってくると、今後いつまで住み続けるのかという問題が浮上してくる。しかも今は土地の価格が高騰。男性のマンションも購入時の2倍程度の資産価値になっており、ますます判断は難しくなる。
「不動産投資の一環で賃貸マンションも3件持っていますが、このマンションも値段が当時の2倍強になりました。湾岸は当時値崩れすると言われていましたが、そのようにはなりませんでした」(男性)

このタワマンも資産形成の戦略として売る選択肢もあったようだが、結局今のタワマンが住みやすいので売却という選択肢はいったんなくなった。
男性は「タワマン入居直後は半数くらいがすぐ空き家になると思っていましたが、意外とそうはならず、住まいとして気に入りました。結局15年以上住んでいることになります」と話す。
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