「専門学校の同級生が3分の1に激減」「”給料6万円+歩合”の会社も」《アニメ業界》夢見て来日したミャンマー人女性が直面した現実

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「いまの会社の社長はアニメ業界の交流会で知り合ったんです」

これまでに描いてきた作品を見せたところ、ぜひ来てほしいと誘われた。やはり背景を請け負う会社だが、前職とはまったく違う働きやすい環境だ。給料はグンと上がり、休みも十分にあるし「もう帰んのかよ」とも言われない。そもそもテレワークなのだ。

「だから顔を合わせる機会はあまりないんですが、社長は会うたびに『助かってるよ、入ってくれてありがとう』って毎回ほめてくれる。スタッフ1人ひとりの仕事をちゃんと見てくれてるんです」

若い世代が立ち上げた会社を中心に、アニメ業界でも比較的ホワイトな会社が増えてきているという(画・ピョピョさん)

外部委託した仕事の監修も任されるように

それでもたいへんなことはある。とりわけ街なかの背景は込み入っているし、手がかかる。

たとえば東京・八王子が舞台の作品だったら、八王子の写真をもとに描いていくのだが、看板の店名などをそのまま使うわけにはいかない。アニメを見ていると「ワクドナルド」とか「イレブンセブン」なんて表記を見るけれど、そのこまごまとした作業は彼女たち背景さんの手によるものだ。

コンビニなどの店内を描くときも、実在の商品のデザインや名前を変えるのだとか。

そしてピョピョさんは海外に外注する絵のチェックも担当している。いまのアニメはクレジットを見ると中国人や韓国人、ベトナム人の名前がダーッと出てくるほどに海外の労働力にも依存するようになっている。日本で人を雇うよりも、海外に出したほうが安いからだ。

「ベトナムさんが上げてきたものを私が監修するんですが、けっこう直すんです。八王子の写真を渡しているのに、送られてきたものには適当な建物が描いてあって、ぜんぜん八王子じゃないじゃん! って」

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