注意欠如多動症(ADHD)の児童数4年間で1万4000人増――「発達障害が増えている」と言われる"本当の理由"《専門医を取材》
「発達障害を視力に置き換えると、理解しやすいと思います。視力が悪い人が、勉強や仕事をするためにメガネやコンタクトレンズをつけることを『ずるい』と言う人はいませんよね。それと同じことです」(本田さん)
キャラクターの1つと捉える時代へ
発達障害という診断名が、ときに人の特性を揶揄する言葉として使われることがある。
しかし、誰でも多かれ少なかれ発達に凹凸はある。そうした部分とどう向き合うか。他人事ではなく自分事として捉えることがこれからは大切になっていく。
「誰にも苦手なことがあるけれど、日本人は努力でそうした苦手なこと、弱点を克服しなくてはならないものだと思っていますよね。だから、苦しくなってしまうのだと思います」と本田さん。
苦手な部分も含めて、自分の一部。そう思うことが発達障害の人への理解につながるのではないか。
最近、英語圏では自閉スペクトラム症の人を「Autistic Person(オーティスティック パーソン)」と呼ぶべきだという意見が当事者から出されているという。少し前までは、「障害がある人」という意味で「Person with Autism」という表現が使われていた。
「特性を病気と見るのではなく、明るい、泣き虫といったキャラクター、またはパーソナリティだと考えるようになってきていて、病気や障害を『持っている』というニュアンスがある『with』は使われなくなっています。『Autistic Person』というのは、まさに『明るい人』みたいな感じで使います。そのような捉えかたが広がっていくと、障害とまでは見なくてもいい人がもっと増えるのではないでしょうか」(本田さん)
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