NHK朝ドラ《あんぱん》に対する【中国ネットの反応】は?「軍国主義を美化してる」という声の一方で…。私が思う“朝ドラ海外発信”の必要性

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こうした作品群は、新たな国際化のカタチを示している。それは「内なる国際化」、すなわち自国の文化や価値観を見つめ直し、それを外の人と共有することで相互理解を深めるアプローチだ。

朝ドラは国際理解の促進に資するコンテンツとして、もっと積極的に海外に発信すべきだと私は思う。

日本の国際化のいまを見つめる

あんぱん
朝ドラは「国際理解の促進」に資するコンテンツとして、もっと積極的に海外に発信すべきだ(画像:NHK「あんぱん」公式サイトより引用)

朝ドラのグローバルな視点は、現在日本社会の「国際化」の在り方を考える手がかりを与えてくれるかもしれない。

「日本の国際化が遅れている」と言われるが、実のところ、社会の現場レベルではずっと前から国際化は進んでいた。

外国人観光客や留学生、技能実習生、国際結婚など、異文化背景の人々がすでに私たちの隣で暮らしている。外国人社員の増加により、日本企業にさまざまな文化が取り入れられている。

ただし、その実態に見合う政策や意識のアップデートが追いついていない。結果として、外国人の「流入」が一方的に語られ、多くの日本人の心理的な抵抗感を生む土壌ができてしまっている。

ポストコロナ時代に入り、国際的な人の移動が再び活発になる一方で、多くの国では「部外者」への不安や排除の意識も強まっている。

今後の国際化に求められるのは、単なるグローバル展開ではなく、文化的対話の場づくりなのではないか。朝ドラが果たす役割は、まさにその実践例であり、物語を通じて「異文化を理解する力」を育む教育的意義も持つ。

20数年間、朝ドラの「異文化背景の視聴者」であり続けている私の体験から言えることは1つ。

朝のひととき、他者の物語に触れ、異なる時代や土地の人々の人生を想像することで、視野は自然と外へと開かれていくはずだ。

【もっと読む】中国出身の私がNHK朝ドラ《あんぱん》を見た結果 戦争描写に感じる「抗日ドラマ」「中国の歴史記憶」との相違点 では、ジャーナリストの黄文葦氏が、NHK朝ドラ「あんぱん」を起点に日中関係について詳細に解説している。
黄 文葦 ジャーナリスト

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こう ぶんい / Kou Buni

日本と中国、日本語と中国語を愛する在日中国人フリージャーナリスト。学校法人白萩学園名誉理事。中国の大学と日本の大学院でマスコミを専攻、日中両国のマスコミの現場を経験。2000年来日以降、日本語と中国語で教育、社会、文化の問題に焦点を当てたコラムを執筆し、両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。19年に電子書籍「日中文談: 在日中国人の日本観(エッセイ)」を出版。20年8月から23年7月までの3年間、日中文化比較のメルマガ「黄文葦の日中楽話」を発行。24年10月、「新中国語から中国の『真実』を見る」(風人社)を出版。

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