NHK朝ドラ《あんぱん》に対する【中国ネットの反応】は?「軍国主義を美化してる」という声の一方で…。私が思う“朝ドラ海外発信”の必要性
『おしん』で表現されたように、朝ドラの魅力の一つは、女性の成長物語にある。家族や社会に支えられながら、夢を追い、時に挫折し、それでも前を向いて歩み続ける姿が描かれる。
女性のエンパワーメントが世界的な課題として注目される今、朝ドラは日本女性の歩みを物語る貴重な文化財とも言えるだろう。
『あんぱん』の戦争体験を通じた「国際的な問い」

『あんぱん』では、戦時中の報道と日本軍の中国での宣撫活動が描かれており、戦争の記憶を個人の視点から丁寧に映し出すことが多い。
現時点では、中国国内でNHKの朝ドラを視聴する手段は非常に限られている。ただし、ネット上には、『あんぱん』に関するさまざまな議論があった。
例えば、「『あんぱん』は、朝ドラの伝統的な温かさと励ましの特徴を引き継ぐ。物語に恋愛、家族、夢に関する要素をさらに盛り込み、視聴者が力と希望を得られる作品だ」という評価があった。
その一方で、「このドラマは日本の軍国主義を美化している」といった批判もある。また、次のように、登場人物の行動の合理性をめぐる議論も少なくない。
劇中には、中国人少年リンの母親が日本軍に殺害され、その後にリンが復讐を果たすシーンがある。
これに対し、中国の視聴者の中には、「(リンの)『岩男さん(日本軍人役)は私の先生です』という複雑な感情が滲み出るせりふは、中国人少年の口から出すのはかなり不自然だ。このセリフは、日本的な情緒や個人感情の表現であり、中国人の子どもが口にするとは考えにくい」という声もある。
確かに、中国の抗日ドラマに登場する少年英雄は、「敵」に対して「反省の言葉」は決して言わない。それに対して朝ドラの登場人物はほとんどが「いい人」であり、「悪」を人間の複雑な性質として描いている。

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