能力は60点でもいい。しかし誰にも負けない熱意がなければいけない。
そして、努力をすることである。昨今の一部の風潮にまどわされてはいけない。濡手に粟というようなボロ儲け、宝くじ的確率に己の人生を賭けてはいけない。こつこつ努力を積み重ねていくことが基本であり、大事なことである。汗を流す。迷うことなく、それを先行させることである。
「知恵無きものは汗を出せ」は間違い
以前、どこかの会社の社長が、「知恵ある者は知恵を出せ、知恵無き者は汗を出せ、それもできない者は去れ」と社員の人たちに言っていたことがある。
松下はその言葉を聞くと、「あかんな、つぶれるな」と言った。
「本当は、まず汗を出せ、汗のなかから知恵を出せ、それができない者は去れ、と、こう言わんといかんのや。知恵があっても、まず汗を出しなさい。本当の知恵はその汗のなかから生まれてくるものですよ、ということやな」
その会社は数年すると、やはり潰れてしまった。
もともと知恵のある人でも、その知恵がそのまま世の中で通用するかといえば、実際には難しい。学者や専門家の意見を聞いていると、私たちはどことなく机上の空論だと感じることが多い。その知恵は社会の波で揉まなければいけない。それが現実の姿である。
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