「思春期の娘が猛反対」「子が巣立つまでは別居婚」4年越しで“お互い再婚”夫婦が《過去の反省》を活かし今の幸せをつかむまで

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大学まで地元で過ごした孝さんは、父親の飲食店を継ぐことも視野に入れて、卒業後は関西の大きな店に修業に出た。その店に同期入社したのが前妻の洋子さん(仮名)だ。

「彼女は高卒入社の4歳年下です。よく働く子で、どの職場でも認められていました。僕は30歳のときに愛知に戻ることにしましたが、彼女と付き合ったのはその1年前からです」

結婚と同時に父親の店に入った孝さん。関西の大きな店で鍛えられた目からは、すべてが低レベルで時流に遅れているように見えた。父親とよく衝突したが、母親が倒れたことをきっかけに父親から社長交代を急に宣告される。すべての責任を負ってみると足がすくむような気持ちになった。

「店は大きく作り変えましたが、多店舗展開などは怖くてできませんでした。商売人気質の妻はそれが物足りず、『何やってんのよ。なんでこんなに稼ぎが悪いの』と責めるのです。でも、僕にはできなかった。妻と顔を合わせるたびに心が痛くて、ふさぎ込むようになりました」

家事は一切やらなかった

孝さんにも反省点がある。仕事が忙しいからと家事は一切やらず、息子が生まれたときも立ち会わなかった。関西出身の洋子さんは孤独感を深めていたのかもしれない。

「息子が中学校に入った頃には離婚話が出ていました。息子は関西の高校に進学し、一緒に妻も家から出ていきました。

それからは暇を持て余しましたね。もともと好きな仕事には打ち込めましたが、休みの日にやることがありません。近くの海でずっと背泳ぎをしたり、動物園でオラウータンやゾウを見つめたりして過ごしていました」

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