19歳でパニック障害を発症した人気クイズ作家(47)、「美容院でのシャンプー中に飛び出した…」発作の意外な“トリガー”とは?
──パニック障害に関する書籍などは読んだりされますか?
はい。周りで見守る方々や、病気の概要を知りたい方々は、精神科の先生が書かれた分かりやすい本などを読まれるといいかと思います。ただ、当事者が気持ちを落ち着かせるという面では、精神科の先生などが書かれた本よりも、タレントさんなど実際の体験談が記された本や記事を読むことを個人的におすすめします。
実際にうつ病やパニック障害になった方の話を読むと、自分と似た症状や実践的な対処法が書かれていて、すごく安心できるんです。
僕の場合は、棋士の先崎学さんが書かれた『うつ病九段』(文藝春秋)という本に救われました。あとは、『酒井若菜と8人の男たち』(キノブックス)という対談本のなかで、ナインティナインの岡村隆史さんとの対談で病気について語っていた章があって。自分と重ね合わせて読んだのですが、ダーっと涙が溢れてきましたね。壮絶な日々だったのだろうなと想像しました。
同時に「苦しいのは自分だけではないんだな」と、光が差したような、勇気づけられる思いがしました。
症状は人によってケースバイケース。事前の周知がカギ
──昨今では、著名人の方でパニック障害やうつ病などをカミングアウトされる方も増えてきました。ただ、以前よりメジャーな病名となってきたわりには、実際に患っている人に対してどのように接すればいいのか、周知されていないように感じます。
そうですよね。まずは当事者側から、職場や学校、家庭など各コミュニティにおいて信頼できる人に、“自分は症状が出たらこうなります”とあらかじめ伝えておくことが大事です。周囲の人は患者さんのパニック発作が急に出たら驚いてしまうでしょうから、例えば“薬を飲めば元に戻るし、死ぬ病気ではないので”と伝えておけば、慌てず見守ってくれるはずです。
それから、発作中にどんな対応をとってほしいのかは、なるべく具体的に伝えてください。一緒にいて背中や肩を軽くさすってほしいとか、呼吸が整うまで「大丈夫だよ」と言ってほしいとか、僕のように一旦放っておいてほしいとか。
僕は周囲に自分のタイプを伝えているので、例えば職場で体調が悪くなったときは「ちょっと外気を吸ってきます」と出ていって、「はーい、いつでも帰っておいでー」と軽く受け止めていただけることが多いです。そうすると事前に安心できますし、感謝の気持ちでいっぱいになりますね。
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