19歳でパニック障害を発症した人気クイズ作家(47)、「美容院でのシャンプー中に飛び出した…」発作の意外な“トリガー”とは?

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──日髙さんは、パニック障害の発作は「サバンナの真ん中で、16頭ものライオンに囲まれている感覚を覚えるほどの恐怖体験」とおっしゃっていました。症状が出るたびに、そのような恐ろしい緊張感が続くのでしょうか?

ひどいときはそのくらい追い込まれますね。まさに筆舌に尽くしがたい不快感と恐怖です。「ああ、発作が起きるかも」という予兆があるのですが……例えば、体育の授業で平均台を渡ったことはありますか? 

僕はパニック発作を過剰に意識してしまうと実際に発作が起きてしまうことが多いのですが、その感覚が、平均台や綱渡りで「あー落ちてしまう」という感覚に似ているのです。細いけれど一本道だし、普通にしていれば平気なはずなのに、下を意識した途端にちょっと怖くなり、身体がなぜか引っ張られて落ちてしまう感じ……。あの心理に似ているなあと思います。

ただ、パニック発作で死ぬことはなく、たいていの発作は20分も続けば収まりますし、自身に合う薬を服用すると収まることがほとんどです。しかし、「死ぬことはないから大丈夫」で済む病気ではありません。それくらいつらいです。

睡眠不足や吐き気、暑さが天敵。“日髙流”の対処法は?

──パニック障害の発作を誘引する要因はありますか?

人それぞれ違いますが、一般には不規則な生活や睡眠不足などと言われます。でも僕の発作のトリガーのひとつは「吐き気」です。だから吐き気が起きないように、食事をした後などは絶対にタクシー以外の乗り物に乗らないようにしています。仕事がある日は、食後に気分が悪くなるのを避けるため、一切ご飯を食べません。美味しそうなロケ弁は家に帰ってからのお楽しみにしています。

──実際に食事のあとに体調が崩れた経験があるのですか?

35歳くらいの頃、テレビのお仕事で、関東近県のレジャー施設に行くロケ番組があり、帰りのサービスエリアでスタッフさん達といつも通りラーメンを食べたんです。その帰りのロケバスで気持ち悪さに襲われ、胃薬を飲んだり、いつもより多めに抗不安薬を飲んだりしたのですが、治らなくて。でも、高速道路の途中で「降ろしてほしい」なんて言えないじゃないですか。スタッフさんにも迷惑をかけたくないですし……。僕は物心ついた時から「嘔吐恐怖症」があるんです。

だから悟られないように必死に耐えて、本当はテレビ局まで戻るはずだったところを、「次の用事があるので」と早めに降ろしてもらい、なんとか解放されました。外に出ると楽になるのが不思議なんですよね。その経験から、仕事があるときは食事をしない、というマイルールを決めました。テレビの特番収録などでも、僕だけ食事をしていなくて不思議がられることがありますが、事前対策です。

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