19歳でパニック障害を発症した人気クイズ作家(47)、「美容院でのシャンプー中に飛び出した…」発作の意外な“トリガー”とは?

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──食事が思うようにとれないのはつらいですね。

あと、僕のパニック発作の二大トリガーのもうひとつは「暑さ」です。夏の暑さもさることながら、冬の暖房がとにかくつらくて。暖房が効きすぎていると、症状が出そうになっていつもドキドキします。あるクイズ番組の収録で、その頃はまだお弁当を食べていたうえに、暖房も強かったことがあって。今思えば、その時点でいつ具合が悪くなってもおかしくありませんでした。

その番組では司会を担当していたので、僕が「問題です」って言わないと始まりません。でも、気持ち悪さと暑さから症状が現れて、どうしても問題が読めない。「いけそうです!」「やっぱりすみません。ちょっと待ってください」っていうのを3回くらい繰り返してしまい……。解答者の方々も理解ある方々で待ってくれていてくださり、30分後くらいに何とか体を持ち直して、最後までやり遂げられました。

──一般的には、カフェインやアルコールなどの摂取もパニック障害の発作を誘発すると言われていますが、日髙さんはどうですか。

僕はどちらも大丈夫なほうです。でも、アイスコーヒーは一日1杯まで、アルコールは強いのでそれなりに(笑)。個人差があるところなので、病気の方はご自身の「合う・合わない」を事前に知っておくことをおすすめします。それよりも「口の渇き」が天敵ですね。飲み物がまったくないと不安になってしまうので、冷たいノンカフェインのペットボトルを必ずカバンに入れて持ち歩くようにしています。

普通の人が難なくできていることがなぜ…止まぬ葛藤

──電車やロケバスなどだと、何かあればすぐ降りられるタクシーと違って、発作が起きやすいとおっしゃっていましたよね。

逃げられない場所にいる場合は、「あとどれくらいの時間で解放されるのか」を知ると、症状が緩和する裏ワザがあります。例えばJR中央線だと、隣の駅までの所要時間がだいたい2、3分じゃないですか。スマホのストップウォッチのカウントダウン機能を2分間にセットして、先頭車両に乗るんです。

電車の行き先の風景が見えるところに乗って、カウントダウンの数字を見ながら「あと〇秒我慢すれば解放される」って気を紛らわしているうちに、次の駅のホームが遠くに見えてきます。すると「やった!最悪あのホームに降りることができる」とホッとできますよ。飛行機の場合は、僕は搭乗の20分前に睡眠導入剤を飲んでいます。ただ、遊園地の観覧車だけは、どうやっても無理ですね。ゆっくりですし、降りられないですから(笑)。

日高大介さん
パニック障害との付き合いが長いだけあって、対処法を的確に理解している日髙さん(撮影/今井康一)
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