コロナ後に店舗数が急減のドミノ・ピザ。再攻勢を期すおひとり様向け“弁当”の実態と、「2秒にもこだわる」カイゼンの実態

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それを証明するように、2021年1月には、ピザハットから「おひとり様」向けのピザとチキンナゲット、ポテトをセットにした「マイボックス」が。2022年11月には、ピザーラから1.5人分のピザサイズ「Pサイズ(22.8cm)」がそれぞれ誕生している。

そこで2023年に開発されたのが、ピザBENTOの前身の「マイドミノ」だ。約18センチのピザとサイドメニュー2つ、ドリンク付きも選べるセットである。ピザはマルゲリータ、ドミノ・デラックスなど人気の12種類から、サイドメニューもポテト、からあげ、チキンナゲットなど8種類から選べる。

また、ピザを「ごはんにピザの具材を載せた」ピザライスボウルや、「パスタにピザの具材を載せた」ピザパスタボウルに変更も可能だった。価格は当初、持ち帰り930円~、デリバリー1230円~と、現在のピザBENTOより高めの設定である。

マイドミノはひとりでの食事や子供のランチとして歓迎され、ヒット商品となる。しかし一方で、既存顧客からの認知度は低かった。

マイドミノからピザBENTOへ

この状況を打破するために、2024年7月7日に名前を変えて再登場したのがピザBENTOだ。「18センチのピザは、一人用としてはまだちょっと大きい」という声もあったため、ピザのサイズは約15cmに変更。

サイドメニュー1つが付けられる「バリューBENTO」と、サイドメニュー2つが付けられる「プレミアムBENTO」の2セットが用意された。

ピザBENTO
定番のマルゲリータとエッグタルトをセレクトしたピザBENTO。40代の筆者にとっては多すぎず少なすぎない、ちょうどいいボリュームだった(筆者撮影)

ピザは12種類から選べる。マイドミノ時に注文の少なかったピザパスタボウルは選択肢から外された。

また、ピザの大きさ変更に伴いパッケージサイズは557.5× 397mmとなり、弁当箱に近いサイズ感と認知度を上げる狙いから「ピザBENTO」と名付けられた。

価格は、「バリューBENTO」が持ち帰り590円~、デリバリー890円〜。「プレミアムBENTO」が、持ち帰り740円〜、デリバリー1040円~。マイドミノと比べると、最低価格が340円も下がり、より身近な存在となった。

競合のピザハットの「マイボックス」756円〜、ピザーラのPサイズ1120円〜も大きく下回る。400〜600円のコンビニ弁当、500〜800円のファストフードとも真っ向から勝負できる価格帯になったのだ。

狙いが当たり、ピザBENTOは2025年1月時点で800万食を売り上げるヒット商品へと成長する。ビジネスパーソンをはじめ、子供から高齢者まで幅広く注文が来るようになった。

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