「ロイズ ROYCE'」“体験価値”提供する工場見学の凄いこだわり 人気の生チョコ、ポテトチップチョコレートの誕生秘話とは
「最大の特長は、なんといってもそのやわらかさと、シルクのようにとろける口どけです。実際、水分量は約17%にも達しており、“北海道の生クリームだからこそ実現できる味わい”だと自負しています」
※公正取引協議会が定める生チョコレートの規定は「全重量に対して、水分量10%以上、生クリーム10%以上」
一方で、遊び心と冒険心から生まれたのが「ポテトチップチョコレート」だ。開発のきっかけは、現社長・山崎氏がアメリカで出会ったチョコレート菓子。「北海道の名産であるじゃがいもとチョコレートを組み合わせたら、きっと面白い土産になるのでは?」という発想から、開発がスタートした。
「当初は社内でも、“甘じょっぱい組み合わせが受け入れられるのか?”と懐疑的な声があがっていました。しかし、実際に発売してみると、いい意味で予想が裏切られ、瞬く間に人気商品になりました」
筆者にとっても、この「ポテトチップチョコレート」の登場はかなり衝撃的だった。そのおいしさに比例するように体重も増えてしまったという、甘くて苦い思い出すらある。
体験コーナーでカカオ栽培の臨場感を味わう
こうした商品が生まれる背景には、「北海道の地で、本場ヨーロッパに負けないチョコレートを作りたい」という創業時からの強い思いがある。ロイズの商品開発チームは、実際に海外に足を運び、その土地の食文化や素材に触れてインスピレーションを得ることも多い。現地で見聞きしたアイデアをもとに展開される季節フェアや限定商品は、商品にストーリー性と独自性を加え、訪れる人の印象に深く残る存在となっている。
こうしたブランドの理念を伝える場としても、「ロイズカカオ&チョコレートタウン」は大きな役割を果たしている。ロイズは2014年、南米コロンビアに自社のカカオ農園を開設し、カカオの栽培からチョコレート製品の製造までを一貫して自社で手がけたチョコレートもラインナップしている。施設内では、この取り組みについて視覚的かつ体験的に理解できる工夫が随所に凝らされており、子どもから大人まで楽しく触れることができる。
特に印象的だったのが、カカオを干している様子を実際に機械を動かして体験できるコーナーだ。「雨が降ってきたぞー、急いでしまってー」といったリアルな状況が再現されており、展示や映像だけではなかなか想像しにくい現地の作業の臨場感を、体で感じることができた。

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