会話が弾まない原因はこれ。悪気なく人を疲弊させる「正論・話泥棒・雑談スルー」の3大NG

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

最後に、会話そのものを「意味のないもの」と捉え、人間関係を深める入り口である「雑談」を切り捨ててしまうパターンです。

心を折る会話③:「雑談」を切り捨てる人々

以前、私がある出版社の担当の方と仕事をする機会があったときのことです。私には温めていた本の構想があり、その方と一緒に仕事ができれば素晴らしいな、と常々思っていたのです。

しかし、その方は打ち合わせのときも、いきなり「では今回のお願いですが」と本題に入ってしまい、雑談をまったくしてくれませんでした。その人の話の中には、「いい反応」も「肯定」も、私への「興味」もありませんでした。そこで私は「あ、この人と仕事はできない」と感じて、提案するのをやめてしまったのです。

その出版社の人は、私が心の中で仕事の提案をやめたことを知りません。ただ気づかぬうちに、チャンスが目の前を駆け抜けて行っただけです。私たちは雑談をして親しみを感じて初めて、ともに何かをしてみたいと思うのだな、と。ここで私は痛感しました。

では、どうすれば相手の心を折らずに、会話を温かいものにできるのでしょうか。難しく考える必要はありません。今回ご紹介したNGパターンの「逆」を、ほんの少し意識してみるだけでいいのです。

相手の話に「正論」を返したくなったら、ぐっとこらえて、まずは「へー♪」「ええっ!」「おお!」といった「いい反応」を返してみる。相手の話を肯定する「いい○○ですね」という言葉を添えるのもいいでしょう。

相手の話を奪うのではなく、相手を主人公にして話を聞く。そして、無駄だと思えるような雑談こそ、人と人との親しみを育む大切な時間だと捉える。

これらはすべて、相手を尊重し、「あなたに興味がありますよ」という気持ちを伝えるための、シンプルですがとてもパワフルな方法なのです。

もし、今回の記事を読んで「もしかして自分も……」とドキッとした方がいらっしゃっても、どうか落ち込まないでください。大切なのは、まず自分自身のコミュニケーションのクセに「気づく」ことです。

それが、より良い人間関係を築くための、大きな第一歩となるのですから。

野口 敏 「コミュニケーション教室TALK&トーク」主宰

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

のぐち さとし / Satoshi Noguchi

1959年生まれ。株式会社グッドコミュニケーション代表取締役。関西大学経済学部卒業。熊本県天草市出身。

1989年より「コミュニケーション教室TALK&トーク」を主宰。コミュニケーション指導歴35年を超える。「今日受けた人が今日うまくなる」がモットーの指導には定評がある。大阪淀屋橋、東京有楽町、Zoomでコミュニケーション講座を開き、全国から生徒が絶えない。

「話を聞く」「絵が浮かぶように話す」「顔を上げて歩く」「相手を主人公にして話す」など、常に新しい発想をコミュニケーション界に提案している。

2024年からは結婚相談所グッドコミュニケーションも運営し、現代の結婚難打開に尽力している。

著書は、シリーズ累計120万部を突破した『誰とでも15分以上 会話がとぎれない! 話し方66のルール』(すばる舎)をはじめ、『またすぐに! 会いたくなる人の話し方』『人の輪の中にスッと入れる話し方』(以上、三笠書房)、『相手の頭に「絵」が浮かぶように話しなさい』(PHP文庫)など30冊を超える。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事