成績優秀な子どもが突然「大学には行かない」と言い出したら…?“学歴重視”で育った子に起きる”深刻な影響”。「教育の目的=学歴製造」ではない!

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こうした個性に注目し、学びを通して自信や自己肯定感を育てていくことが、真の教育の姿だと考えています。子どもが「自分には価値がある」「自分の得意なことで社会に貢献できる」と感じられるようになることで、内発的な学習意欲が生まれ、持続的な成長が可能になるのです。

しかし、これらを学校で行うことは現状不可能に近いです。クラスサイズが大きく、教員の業務負荷が高すぎるためです。ですから、家庭でこのような視点をもった対応をすることをお勧めしています。

社会全体での意識改革の必要性

もちろん、受験や進学そのものが悪いわけではありません。それも人生における一つの選択肢であり、努力することの大切さや目標達成の喜びを学ぶ貴重な機会でもあります。偏差値すらも、1つの基準としては便利に機能します。しかし、問題なのは、それが唯一の「正解」や「成功の道筋」だと錯覚してしまうことです。

このような社会の風潮は、子どもたちの多様性を狭め、本来持っている可能性を制限してしまう結果となりかねません。社会全体で教育に対する価値観を見直し、より包括的で柔軟な考え方を持つことが急務だと考えています。いち早く行わなければ、学校教育にNOを突きつける子どもたちが増える一方になります。(すでに「NO!」は始まっています)

企業や社会も、学歴だけでなく、その人が持つ多様な能力や経験を評価する姿勢を持つことが重要です。そうすることで、教育現場にも良い影響を与え、子どもたちがより自由に自分らしさを追求できる環境が整うと考えています。

学歴よりも大切なもの、それは「その子らしさ」が輝くことです。教育はそのためにあります。決して、学歴を製造するためにあるわけではありません。一人ひとりの子どもが、自分だけの特別な光を放ちながら、社会の中で活躍できる。そんな未来を実現するために、今こそ教育の本質を見つめ直し、新しい教育のあり方に転換していくときだと思っています。

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石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育専門家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4500人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、カフェスタイル勉強会Mama Cafe(累計1万3千人のママさん参加)、執筆、講演を精力的に行う。教育学修士(東京大学)。著書に『子ども手帳』『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』『子どもを育てる7つの原則』など国内30冊、海外13冊。音声配信Voicyでは「子育てランキング1位」の人気パーソナリティを務めている。

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