こうした個性に注目し、学びを通して自信や自己肯定感を育てていくことが、真の教育の姿だと考えています。子どもが「自分には価値がある」「自分の得意なことで社会に貢献できる」と感じられるようになることで、内発的な学習意欲が生まれ、持続的な成長が可能になるのです。
しかし、これらを学校で行うことは現状不可能に近いです。クラスサイズが大きく、教員の業務負荷が高すぎるためです。ですから、家庭でこのような視点をもった対応をすることをお勧めしています。
社会全体での意識改革の必要性
もちろん、受験や進学そのものが悪いわけではありません。それも人生における一つの選択肢であり、努力することの大切さや目標達成の喜びを学ぶ貴重な機会でもあります。偏差値すらも、1つの基準としては便利に機能します。しかし、問題なのは、それが唯一の「正解」や「成功の道筋」だと錯覚してしまうことです。
このような社会の風潮は、子どもたちの多様性を狭め、本来持っている可能性を制限してしまう結果となりかねません。社会全体で教育に対する価値観を見直し、より包括的で柔軟な考え方を持つことが急務だと考えています。いち早く行わなければ、学校教育にNOを突きつける子どもたちが増える一方になります。(すでに「NO!」は始まっています)
企業や社会も、学歴だけでなく、その人が持つ多様な能力や経験を評価する姿勢を持つことが重要です。そうすることで、教育現場にも良い影響を与え、子どもたちがより自由に自分らしさを追求できる環境が整うと考えています。
学歴よりも大切なもの、それは「その子らしさ」が輝くことです。教育はそのためにあります。決して、学歴を製造するためにあるわけではありません。一人ひとりの子どもが、自分だけの特別な光を放ちながら、社会の中で活躍できる。そんな未来を実現するために、今こそ教育の本質を見つめ直し、新しい教育のあり方に転換していくときだと思っています。

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