スターバックスは皆さんの経験を語り継いでいきます--ハワード・シュルツ会長が東北の地で語る

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当時「スターバックスは日本で成功しない」と言われました。日本には紙コップでコーヒーを飲む人はいない、禁煙のポリシーは受け入れられないと言う声もたくさんありました。しかしわれわれは外の雑音に耳を貸さず、運命を人に決められることなくやってきました。どうやってスターバックスは成功を成し遂げてきたのでしょうか。

スターバックスが成功しないと考えていた人々は、われわれが持っている財産を過小評価していたと思います。スターバックスが持っている財産は、世界最高のコーヒーやリラックスできる店舗のデザイン、ましてや不動産でもありません。

 日本での16年間、米国での41年間の歴史の中でスターバックスが培ってきた第一の財産は、われわれが持つ文化であり価値観であり、行動指針なのです。スターバックスが日本で成功した理由はたった1つです。皆さんのようなパートナーがスターバックスのミッションや価値観、行動指針を信じてきたからです。その中で何よりも重要なのはスターバックスが持っている「人間らしさ」です。

われわれが大切にする人間らしさとは何か、仙台でこのことの意味を考えたいと思います。ある社員は震災直後、交通機関が寸断されている中、ここにいる人たちのために何時間もかけて被災地にやってきました。会社がそういった業務を命じたわけではなく、忍耐と信念、責任感が彼を突き動かしたのでしょう。

 また昨日、皆さんが参加した被災地でのボランティア活動を振り返ってください。皆さんは自分の身をなげうってほかの人のために尽くそうとしました。それこそが人間らしさなのです。

この人間らしさはわれわれの中に息づいています。世界58カ国、1万7000店、20万人のパートナーが毎日それを体現しているのです。皆さんこそがスターバックスなのです。日本では16年間の歴史を経て950店舗で、2万2000人のパートナーがグリーンのエプロンを着て頑張ってくれている。これこそがスターバックスのブランドがアイコニック的な存在になってきた理由なのです。

 

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