顧客の感動体験をバックアップ、オラクル好調の理由

成功事例が次々と・・・

日本オラクルは、10月30日と31日の2日間にわたり、東京・恵比寿で「Oracle Days Tokyo 2012」というイベントを開催。2日間で計5112名を集め、盛況のうちに閉会した。イベントでは、10会場が用意され、オラクルの新サービスが各種紹介されたほか、顧客企業による事例の紹介や個々のサービスの活用法などが1時間刻みで展開された。そのなかでも、顧客の高い注目を集めたのが、カスタマー・エクスペリエンス。オラクルが展開する各種サービスをパッケージして、企業の顧客満足度、ひいては感動体験をバックアップしようという試みだ。

日本オラクルの今2013年5月期は、好調な滑り出しをみせており、計画どおり純益で275億円という過去最高益を更新できそうな勢いである。その牽引役となりそうなのがカスタマー・エクスペリエンス。まだ聞き慣れない事業だが、これで業績が大きく伸びている。顧客が製品なりサービスなりに満足、ひいては感動してくれれば、リピーターとなり、さらにツイッターなどSNSでのクチコミも広がり、効果は倍増される。そのためには、顧客情報を活用したきめ細かいサービスが武器となるというのだ。

日本ではようやく増え始めたカスタマー・エクスペリエンス。米国ではすでに数多くの成功例が出ている。その象徴的な事例がスターバックス・コーヒーだ。ファーストリテイリング同様、スターバックスも経営者であるハワード・シュルツの技量に負う面が多かった。00年にシュルツがCEOを退くとムリな出店計画がたたりブランド価値が毀損、既存店売上高は前年を下回り、株価も低迷した。しかし、08年、シュルツがCEO復帰すると勢いを取り戻す。

シュルツが復帰の際に、品質の改革とともに掲げたのが、顧客の感動体験を演出するプレミアムカード(Reward Card)の導入だった。利用頻度の高い顧客への優遇サービスを充実させることで、顧客満足度を向上させたのだ。利用回数が一定以上に達すると、様々な特典が得られる。とくに利用時の顧客情報とのヒモ付けに成功したことで、きめ細かなサービスが可能となり、顧客の感動体験を生んだ。利用が30回になる(星が30貯まる)と黒いつやのある封筒で名前入りのゴールドカードが送られる。年会費は無料。予想以上のサービスぶりに顧客のリピーター率が高まり、スターバックスは過去最高益を更新するなど、見事な復活を遂げた。

 

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