スターバックスは皆さんの経験を語り継いでいきます--ハワード・シュルツ会長が東北の地で語る

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東日本大震災を経て、今までの価値観を考え直す必要がある

われわれがこれから考えていかなければならないのは、どうやって前に進むか、どこに向かって進んでいくのかということです。

東日本大震災という悲劇的なことが起こり、個々人だけでなく組織全体としてもつらい経験をしました。そこで感じたのは、われわれはお互いに家族に対しても、お客様に対しても、大きな責任を持っているということです。きちんと敬意を持って震災を考え、強みにしていかなければなりません。

 同時に、今までの価値観をもう一度考え直すよい機会です。人間関係、命や家族に対する価値観、そういったものがいかにもろいものか。そういったこともあらためて考え直さなければなりません。

その中でスターバックスのリーダーにはどのような資質が求められるのでしょうか。1つ目はリーダーとはビジネス書に書いてあることを語るのではなく愛情を持たなければなりません。もう40年余り、われわれは情熱と愛情を持って仕事を続けてきました。妻から「家族より会社のほうが大事なのでしょ」と言われるぐらい、私はこの会社が大好きです。

 成功というのは自然にやってくるものではなく、毎日努力をしなければつかむことはできません。愛情を注ぐことができれば責任が生まれます。ですからリーダーとしてほかの人に対し、愛情を注ぐことや相手の気持ちになることが必要です。

2つ目は謙虚な心です。米スターバックスや日本法人はとても成功しています。成功しているのになぜ、頑張って新規顧客の獲得や新規出店のために働かなければならないのでしょうか。経済的には強い向かい風が吹いています。消費者の所得は下がり、競合も強くなっています。消費者信頼感も下がっていますし、政府も昔のようにサポートしてくれなくなりました。成功に甘んじることなく、もう一度謙虚になって努力する必要があります。

 

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