「死ぬときに後悔しない」お金の使い方とは…「どう稼ぐかだけでなく、どう使ったら幸せか?」を考えるべきと僧侶が説く深い訳

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そんなことは、わざわざ聞かなくてもわかっている? 毎日を生きていくため、欲しいものを買うため、子どもの教育のため、自身の老後のためなど、お金の使い道なんていくらでもあります。

しかし、『死ぬ瞬間の5つの後悔』(ブロニー・ウェア・著、仁木めぐみ・訳、新潮社、2012年)によると、死を覚悟した人に共通する後悔の中に「働きすぎなければよかった」はあっても、「もっとお金を稼ぎたかった」というものは入っていません。

これが意味するのは、お金を稼ぐことばかりに気を取られてしまい、お金を有意義に使ったという実感が持てなかったということではないでしょうか。

たしかにお金の使い道はたくさんあります。行ってみたくなる旅行先やレストラン、高級なブランド品など、世の中にはさまざまなお金の使い道が用意されています。

しかし、どう使うべきか、私たちは本当に考えているでしょうか。私たちはなんとなく、お金はできるだけ取っておくものと考えがちです。将来のために貯めることが美徳とされている一方で、好き勝手に使うことには抵抗がある人が多いのではないでしょうか。

バランスの取れた“アリギリス”

典型的なのがイソップ童話の『アリとキリギリス』でしょうか。

あらすじをあらためて紹介するまでもないと思いますが、夏に勤勉なアリが働き、自由気ままなキリギリスが遊んで暮らした結果、冬にキリギリスが困ってしまうというお話で、まじめにこつこつ働くことや、備えておくことの大切さを説くものとなっています。

しかし、本当にアリは正しくて、キリギリスは間違っているのでしょうか。もしかして一面的な見方になってしまっている可能性もあるのでは……?

力学の基本法則の1つに「作用・反作用の法則」があります。物体を押すと(作用)、必ず同じ大きさで押し返す力(反作用)が生じることです。

これは力学にあてはまるだけではありません。お金をどれだけ稼いでも(作用)、まったく使わなかったのであれば(反作用)、バランスが取れている人生とはいえないのではないでしょうか。

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