先進的デザイナーのツールが激変している

「クリエイティブ=Mac」は過去のもの

アドビシステムズは今回のAdobe Maxで、Creative Syncを披露した。

この仕組みは、Adobe IDユーザーが持つクラウド環境を活用して、作品のデータやフォント、アセット(デザインに用いる素材)を瞬時に同期し、ほかのアプリで利用できる状態に変えることができる。これによって、最も恩恵を受けるのは、モバイルアプリ群だ。

前述のとおり、モバイルアプリは、シンプルな単機能をタッチ操作で実現することができるよう設計されている。アドビのデスクトップ向けソフトウエアのような、パワフルで何でもできる(が、動作が重くてわかりにくい)というイメージからは真逆の存在だ。

それゆえに、「プロフェッショナルの本格的な作業にはモバイルは活用できない」という印象もまた与えていた。

モバイルでデスクトップ並みの作業ができる

しかしCreative Syncによって、デスクトップもモバイルも同様に作業データや環境が保存され、引き継ぐことができるようになる。そのため、ひとつの機能を使いやすく実現するモバイルアプリも、実際のクリエイティブの作業に参加することができるようになったのだ。

基調講演のデモでは、ステージ左右のテーブルで、2人がCreative Syncを活用してヨガ教室のポスターを製作するというデモを行っていた。

iPhoneでのAdobe Capture CCのデモでは、花を撮影し、そこから模様を作成する方法が披露された。作成した模様は、クラウドを介して、編集中だったポスターで利用された

まずはじめにPhotoshopで、Adobe Stockからヨガのポーズの素材をサンプルで挿入し、iPad Proで動作するAdobe Comp CCでレイアウトの作業に入る。レイアウト作業が終わったら、今度はiPhoneのCapture CCで花を撮影してそこから花柄の塗りつぶし模様を作成し、最終的にデスクトップのPhotoshopへ戻す、という手順が披露された。

ひとつのポスターを作る過程で、その作業に最適なデバイスやアプリを活用することができる仕組みを、バックエンドのクラウドが支える。アドビが取り組んできた、クラウドを活用したクリエイティブの柔軟性の高い姿を見せてくれたのだ。

これまで、モバイルはアドビのクリエイティブソフトウエアに触れるきっかけとしての役割が大きかった。すなわち、プロが積極的に「仕事の道具」として使うには力不足だった。しかし、Creative Syncによって、アドビにおけるモバイルの意味が変わった。

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