「スカイツリー、東京タワー、その次は…?」 都内で3番目に高いタワーがあるのに誰も知らない街「江戸川区・船堀」の知られざる"実態"

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四角柱のタワーの中を展望台のある103mまで一気に上昇する。展望台は360℃のガラス張りだ。

この日は快晴で、かなり遠くまですっきりと見渡すことができた。北西方向にはライバルの東京スカイツリーの姿もある。

船堀タワーから見える東京スカイツリー(筆者撮影)

また船堀タワーのすぐ北側に大きな空き地が見えるのだが、ここには2031年に、江戸川区の区庁舎が引っ越してくる計画だ。区の担当者に話を聞くと、以下のような説明だった。

「敷地面積は約9600㎡です。現庁舎の老朽化などによって移転が決まりました。現状の計画では地上21階で、延床面積約6万1400㎡の新庁舎となります。大規模な災害が起きても耐えられるよう、中間層免震構造を採用し、防災拠点としての機能を維持できるつくりになります」

現庁舎は築60年を過ぎ、かなり老朽化が進んでいるそうだ。また「現庁舎は東京23区で唯一駅から歩いて行けない庁舎とも言われているんです。移転場所は駅から徒歩3分ほどなので、かなり便利になると思います」とのことだった。

敷地面積約9600㎡の新庁舎計画地(筆者撮影)

担当者の話で興味深かったのは、船堀は江戸川区のほぼ中心にあるという事実だ。荒川と江戸川に挟まれた江戸川区は南北に長い形をしている。区の南端は東京湾で、ここの埋め立てが進んだことで、江戸川区は南に向かって伸びていった歴史がある。担当者はこう言う。

「かつては現庁舎のある中央1丁目が、地理的にも人口分布的にも江戸川区の中央だったのですが、今は中心がもっと南に移っている印象なんです。そういう意味でも新庁舎の建設地としてふさわしいのかなと思っています」

古地図を確認すると、確かにかつての船堀付近は田んぼだらけで、人口は少なかったようだ。

左の古地図の赤い十字が船堀だ。周りは「水田」の文字で埋め尽くされている(「農業環境技術研究所」歴史的農業環境閲覧システムより)

かつてはお風呂激戦区も閉店が相次ぐ

さて、視界を展望台からの風景に戻す。

タワーの北西方向に、ぽっかりと空き地が見える(江戸川区船堀1-2-1)。ここにはかつて、「天然温泉 東京健康ランド まねきの湯」があった。

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