東京タワーは港区芝公園、東京スカイツリーは墨田区押上にある。しかし、あれだけ高いので他の街や区、あちこちからその姿を見ることができる。
「うちは窓からスカイツリーが見えるんだ」と自慢する中野区民の友人もいる。こうなると、高すぎるタワーはその街だけのものじゃない気がしてくる。
ところが115mの船堀タワーは船堀のものだ。もちろん異論もあろうが、私はそう信じている。
文化施設の中に潜入してみよう
都営地下鉄新宿線の船堀駅(江戸川区船堀3-6-1)を出るとすぐに、船堀タワーが目に入る。巨大なホールケーキに巨大なろうそくが刺さっているような姿である。タワーを含むタワーホール船堀は1999年にオープンした江戸川区の文化施設だ。
ケーキの部分には、コンサートホールや映画館、展示ホールや駐車場、レストラン、結婚式場、書店などの民間施設だけでなく、産業振興センターや東京商工会議所といった公的施設も入っていて、地元の人たちに愛されている。
7階の「サロン・ド・サロン」はコーヒーや紅茶が380円(税込)で楽しめるレストランだ。平日の昼間に訪れた。
40近くある席は、地元の人たちでほぼ埋まっていた。いったん中央にある席に案内されたが、そのタイミングで窓際のテーブルのお客さんが立ち上がってレジに向かった。
──ここは7階だし、今日は天気もいい、窓際であればさぞかし眺めがいいだろう。
そう思いながらボーイさんの顔をチラリとうかがうと、彼は目だけで頷いて、さっと窓際のテーブルを片付けてくれた。実に気持ちがいい。価格はリーズナブルだが、サービスは上級だ。
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