「永野芽郁は謝罪会見すべきだ」という声もあるが…「不倫は誤解」という会見なら“起死回生にはならない”理由。ではここから逆転するには?

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かつて同じく不倫問題でトップタレントから転落してしまったベッキーさんは、質疑応答を設けない一方的な記者会見を行い、その後も番組で当時SMAPの中居正広さんと対談するなど、直接批判を受けない形でのメッセージ発信しかしませんでした。

アンジャッシュの渡部建さんは、せっかく復帰を目指した謝罪会見を開いたものの、何一つ情報開示をせず、ただ批判を浴びただけで終わった結果、復帰もできず仕事は遠のきました。

スキャンダルの後、何の情報開示もせずに逃げてしまった芸能人は、ことごとく窮地に立たされてしまったといえます。

「世間をお騒がせした」的な、単に自分たちの主張をなぞるだけで、何の証拠も情報開示もない会見に意味はないでしょう。自分に都合のよい情報発信だけを目指した会見がそのまま受け入れられることはなく、むしろ事態悪化にしかならないからです。

無傷で済む謝罪はありえない

謝罪会見をするのであれば、事業継続の見通しや、そこにつながる戦略を持つ「腹を据えた」方針を示さなければ、やるだけ無駄だと思います。

会見は、自らを激しく貶める説明をする、という厳しいコミュニケーションだけに、成功すれば流れが変わる可能性はあり、きわめて取り扱いが難しいものの、数少ない“強い武器”となる可能性があります。

無傷で済む謝罪はありえませんが、自分にとっては大切なものでも、それが継続困難であれば捨て去るという覚悟があれば、起死回生のチャンスはあります。

永野さんにとってのそれが「清純派イメージ」だとすれば、事業継続ができないほどの危機においては、それをさっさと捨て去って、女優として次のステージに進むという覚悟を決めることでしょう。今後は、汚れ役が来たとしても芸の幅を広げていくというポジティブな思考を持てるかどうかです。

そのための“袋叩き謝罪会見”であれば、特に芸能の世界においては世界観が変わるくらいの大きな変化をもたらしてくれる可能性はあります。

増沢 隆太 東北大学特任教授/危機管理コミュニケーション専門家

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ますざわ りゅうた / Ryuta Masuzawa

東北大学特任教授、人事コンサルタント、産業カウンセラー。コミュニケーションの専門家として企業研修や大学講義を行う中、危機管理コミュニケーションの一環で解説した「謝罪」が注目され、「謝罪のプロ」として数々のメディアから取材を受ける。コミュニケーションとキャリアデザインのWメジャーが専門。ハラスメント対策、就活、再就職支援など、あらゆる人事課題で、上場企業、巨大官庁から個店サービス業まで担当。理系学生キャリア指導の第一人者として、理系マイナビ他Webコンテンツも多数執筆する。著書に『謝罪の作法』(ディスカヴァー携書)、『戦略思考で鍛える「コミュ力」』(祥伝社新書)など。

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